雪と炎のシンフォニー２【爆豪勝己】 (ページ13)

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解決ページ13

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爆豪のおかげで悩みは解決した。
明日にでも自分の答えをオールマイトに伝えよう。

ヒーロー科への編入はお断りします、と。

「爆豪君、ありがとう」
「……あっそ」

そっけなく顔を背ける彼にふわりと笑ってみせる。
迷いは断ち切れた。

「──A」
「ん？あ、焦凍……！」

自分を呼ぶ声に反応して振り返ると、兄が立っていた。
駆け寄って腕に絡みつけば、ぽんぽんと頭を撫でてくれる。

「探したぞ。何やってんだ、こんなところで…………爆豪と」

焦凍はAから爆豪へと視線を移す。
優しい目つきはその過程で鋭いものへと変わる。

相対する爆豪の目も釣り上がり、静かに睨みあっていた。

「ん～～人生相談？」

交わる２つの視線に敵意が含まれていることに、Aは気づかず質問に答えた。

「オールマイトにね、ヒーロー科に編入する気はないかって訊かれたの」
「は？」
「あ゛？」

焦凍と爆豪の声が揃った。
睨み合っていた２人は同時にAを見る。

その息ぴったりな動きに、Aは思わず笑い出しそうになった。

「でも私、ヒーローには興味ないから。経営科のトップを突き進むよ～。将来のためにね」
「そうか。将来はうちの事務所で働くつもりか？」
「ううん。爆豪君が雇ってくれるって。一生」
「は……？」

将来は安泰だね、と機嫌良く話すAに焦凍は眉をしかめた。
自分が知らないところで妹と爆豪の仲がそこまで発展していたのかと、懸念する。

かわいい妹に悪い虫がついては困る。
まして相手は爆豪。

ここは自分がしっかり妹を説得しなくてはと意気込んだ。

「ねえ、焦凍。迎えにきてくれたんでしょ？はやく帰ろ～。お腹空いた！」

……が、自分に甘えるように腕に抱きつく妹を見て、不安はかき消された。

そして──

「爆豪」

少しだけ。
ほんの少しだけ“同情”を込めて、焦凍は自分を睨みつける男の名を口にした。

「……んだよ。ソイツ連れてとっとと消えろっ」
「俺の方に来ているうちは、まだまだだな」
「な……っ！？俺はっ、別に……──チッ」

屈辱的な表情で舌打ちをする爆豪。
今の会話の意図に気づいてないAが「なになに？」と訊ねるが、焦凍は「なんでもない」とはぐらかした。

少なからず今は優越感を抱いてられる。

妹が自分から離れていく、その日まで──

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