雪と炎のシンフォニー２【爆豪勝己】 (ページ2)

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体育祭が明けてページ2

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体育祭が終了して翌日。
目が覚めた時、最初に視界に入ってきたのは、どこか懐かしい天井だった。

首を動かして周囲を見渡す。
ぱちぱちとまばたきを繰り返すうちに、ぼんやりしていた視界が鮮明になってきた。

(あぁ……そうか)

幼い頃に焦凍と一緒に寝ていた時にいた部屋だ。

Aは本家で寝かされていたらしい。
上半身を起き上がらせて時計を見上げると、とうに昼は過ぎていた。

(お腹空いた……)

布団から出てぼーっとした頭で廊下を歩く。
家の匂い、床の音、何を感じても懐かしく思ってしまう。

足は自然と家族で集まっていた部屋に向かっていた。

その部屋では轟家の長女──冬美がテレビを見て寛いでいた。
気配に気づいた冬美は、せんべいをくわえながら後ろを振り返った。

「あ、A。目が覚めた？」
「……冬美お姉ちゃん」
「熱は下がった？お腹空いてるなら何か作ってあげる。辛いなら部屋に戻って寝てても良いし、ここにいても良いわよ」
「え……えっと……」

甲斐甲斐しく世話を焼こうとする姉に戸惑いながら、ひとまずAは「お腹が空いた……」と小さく答えた。

「ねぇ、冬美お姉ちゃん。どうして私は本家にいるの……？」

キッチンに向かう姉に、起きた時から気になっていた疑問を投げつけた。

「お父さんが連れて帰ってきてくれたのよ。叔父さんも叔母さんも昨日から出張でいないからね」
「あー……」

ヒーローである叔父は出張が多く、そのサポートしている叔母もそれに同行するので、２人は家を空けることが多かった。

Aが高校に入ってからはさらに出張が増え、家にいる方が珍しい。

(体育祭に行けないって落ち込んでたなぁ……)

そういうわけで、しばらくはAが留守を預かることになっていた。

個性の酷使で熱にうなされるAを１人にするわけにもいかず、父親は本家に連れ帰ったらしい。

何も言わず険しい顔つきでAを座敷に寝かせた父親に、冬美は大層驚いたと説明した。

(無様な試合をして、轟家の恥だと思われたのかな……)

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