雪と炎のシンフォニー２【爆豪勝己】 (ページ8)

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免除ページ8

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体育祭を終えて登校初日。
教室に入ったAを見た生徒の反応は、びっくりするほど普段と変わりなかった。

エンデヴァーの娘でヒーロー科の轟焦凍の妹という事実は、すでに周知に沙汰である。
何か聞かれるだろうかと構えていたが、そんな自分が馬鹿みたいだった。

それもそのはず、クラスメイトたちは一心不乱にレポートの仕上げに入っていた。
休みの２日間が経営科の生徒にとっての本当の勝負だ。
来週には提出しないと減点されてしまう。

それを見たAは顔を青くする。

(しまった……すっかり忘れてた！私も早くやらなくちゃ……っ)

まだ何も手を付けていない。
昼休みに大まかな内容だけでも考えて構成を練っておきたい。
そう思っていたのに……──、

「わーたーしーがーーー経営科にいいぃーーーーーーーー！」

食堂へ移動しようと席を立った瞬間、廊下で聞こえる有名人の声。
バタバタとせわしない足音が、だんだんと向かってくる。

「来たああああぁーーーーーーー！！！！」

スライディングするようにAの教室に現れたのは、NO.１ヒーロー・オールマイトだった。

「轟少女はいるかね？」

彼は教室を覗くなりそう訊ねた。

＊＊＊＊

「すまないねぇ。貴重なお昼の時間に」
「……いえ」

話があると言われて案内された学校の応接室。
テーブルにはお弁当が置いてあった。
Aのために用意されたものらしく、「どうぞ」とすすめられた。

先生の話を食事をしながら聞くわけにもいかないと思ったが、目の前の先生は普通に食べはじめたのでAもそれに倣った。

「今日、呼び出したのはだね……」
「はい」

オールマイトが話し始めたのでAは箸を置いた。

「……と、その前に。担任の先生から言付けがあったのだった」
「言付けですか？」
「そう。君の体育祭の功績を鑑みて今回のレポートは免除する！」
「え……！」

中途半端で納得のいかないレポートを提出するところだったので、それはとても助かる。
遅刻してでも完璧に仕上げたレポートを提出した方がマシだ、という変なプライドが安堵の息を漏らした。

「あの、本当にいいんですか？」
「もちろんだ。すごいことなんだぞ、経営科でベスト１６なんて」
「あ、ありがとうございます……！」

お礼の言葉とともに勢いよく頭を下げた。

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