雪と炎のシンフォニー【倉庫】 (ページ14)

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爆豪は手を伸ばして勢いよくカーテンを閉じる。
雨雲で薄暗いがまだお昼過ぎ。
カーテンの隙間から溢れる光が中途半端に部屋を明るくしていた。

「ブレザーも着せときゃ良かったか。スカートも穿かせて着たまんまってのもアリだったな。……とってくるか」
「あの……勝己君？そんなイメクラみたいなのやめよう？」
「誰かさんが”卒業するまでそういうのはナシで“とか言ったおかげで、俺は随分我慢させられたしなア」
「そ、それは……」
「アホ面や半分野郎に先を越された時は約束なんか反古にしてぶち犯してやろうと思ったわ」
「そんなこと思ってたの！？」

衝撃の事実。
知らぬ間にAはピンチに陥っていたのであった。
それでも高校時代に純潔でいられたのは、爆豪が理性をフル稼働させてくていれたおかげだったのだろう。

「卒業の日に思う存分抱いてやろうと思ったら、てめー逃げやがったよな？」
「ぅ……」

まさか卒業の日にそういう雰囲気になるとは思わず、恥ずかしくなったAは片付けを手伝っていた爆豪の部屋から全力で逃げた。
そのあと色々あって連絡が取れず、爆豪の誕生日まで会わずじまいとなった。
そして謝りにいった爆豪の誕生日にハジメテを捧げることとなった。

つまり……残念ながら爆豪が制服のAを抱く機会がなかった。
そんな爆豪に最後のチャンスが現れた……ということなのだろう。

「……。勝己君」
「あん？」
「これ、解いて」
「は？」
「いいから。早く」

頭の上にあった拘束された両手を爆豪に差し出す。
爆豪は躊躇しつつも、Aの声色からして逆らうとまずいと思ったのか、大人しく従った。

「ネクタイをこういうふうに使われるの、私イヤ」
「……」

解かれたネクタイを爆豪の手から取り上げてAは起き上がる。
覆い被さるような体勢だった爆豪の体を押し退けて、ベッドから降りた。

「A」
「ちょっと１人にして」
「……」

今は刺激しない方が良いと判断した爆豪は、スカートを拾って部屋を出ていくAの背中を目で追った。

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