雪と炎のシンフォニー【倉庫】 (ページ12)

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【番外編０５】懐かしの【プロヒーロー編】ページ12

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設定：大学１年(A)・プロヒーロー１年目(爆豪)

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高校を卒業して約半年。
新しい生活に慣れ始めた頃。

暑い夏が過ぎ去って涼しい季節がやってきた。
けれど半袖だけでは過ごしにくい。
これからだんだんと気温が下がっていくと天気予報でも注意していた。

「えっと、これだったかな～」
「あ？何してんだ？」

Aが実家から持ってきた段ボールを開封していると、ソファーで寛いでいた爆豪が顔だけこちらに向け、訝し気に問いかけた。

「衣替えの準備。そろそろ冬服を出しておかないと、と思って」
「なんで今やんだよ」
「今やっておかないといざ出掛ける時に服がなかったら困るじゃない。あ、これこれ。中途半端な気温にちょうど良いんだよね」
「……」

手を止めずに作業を続けながら返事をする。
視線も段ボールの中なので爆豪の様子は窺えないが、機嫌が悪くなったのはなんとなく察することができた。

「なんで俺といる今、その作業をすんだよ」
「だって暇なんだもん。雨降ってるからお出掛けって気分にならないし」
「……」

背中に感じる刺すような視線。
しかしAはそれを無視して段ボールの中を漁り続けた。

折り畳まれた服を確認して必要なものだけを取り出していると、

「……ありゃ、こんなの入ってた」

懐かしい手触りが手のひらから伝わってきた。
Aはそれを手に取る。
グレー生地に若葉を思わせるような深緑色のラインが入っているブレザー。

まごうことなき雄英高校の制服だった。
爆豪からプレゼントされたカーディガンも入っている。

高校時代を一緒に過ごしてきたお気に入りのカーディガン。
楽しかった時も辛かった時もこれを着ていた。

半年前なのにとても懐かしくて、Aはクリーム色のカーディガンに袖を通した。

「……なにしとんだ」
「懐かしかったからつい……あ。ネクタイも出てきた。どっちが私のだろう」
「オイ」
「ん？」

２つあったネクタイがどっちのものか確認していると、爆豪が近づき段ボールの中に手をつっこんだ。
そしてあるものを取り出す。

「これ穿いてみろ」
「へ？」

爆豪の手の中にあったのは、ブレザーと一緒に収められていた。
皺のないプリーツスカートだった。

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