雪と炎のシンフォニー【倉庫】 (ページ11)

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【番外編０４】「あ？　なにキレてんだよ」【プロヒーロー編】ページ11

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『あーもう！むかつくむかつく～！！』

「あ？なにキレてんだよ」

『勝己君はなんとも思わないの！？今の男の人！助けてもらっておいて“来るのが遅ぇ！ダメヒーロー”って！！』

「……」

『今日は非番で今はプライベートなんだよ！？つまりは無給のボランティア！！』

「……」

『それなのにお礼を言うどころか文句だなんて！いくら税金を払ってるからってあれはないよね！』

「オ──」

『ヒーローがいて当たり前！助けてもらって当たり前！施してもらっておいて感謝の欠片もない……！！』

「──オイっつってんだろ！」

『……なによ』

「落ち着け。あんなンほっときゃいーんだよ。また同じこと繰り返して運が悪けりゃヒーローが来ねぇだけだ」

『むぅ、随分と大人じゃない。勝己君らしくない』

「てめーこそ。いつもは冷静のくせに、今日はやけに直情的じゃねーか」

『だって……今日は久々のデートなのに、邪魔されたあげくお礼の言葉どころか罵倒を浴びせられる勝己君を見てたら、こう……腹の底からふつふつと怒りが──……ちょっと、なに笑ってんの？』

「あ？笑ってねーわ」

『口元が笑ってた！あのねぇ、私は勝己君のために──』

「へいへい。わーってるから一旦落ち着け」

『むぅ……分かったから。人気(ひとけ)がないからって抱きしめないで。誰かに見られたらどうするのよ』

「そん時ゃそん時だろ。帽子とサングラスつけてんだから近づかねぇかぎりバレねぇよ」

『はぁ……こそこそデートしてるみたいで嫌なんだけど』

「んじゃ、とるか？」

『やめて！噂になったらどうするの？マスコミが煩いよ』

「あー……それはウゼェな」

『でしょ。顔が売れるって大変だね』

「別に。ヒーロー活動してンなら嫌でも売れるだろ」

『……知名度の低いヒーローが聞いたら怒りそうなセリフだね』

「おら、目ぇ閉じろ」

『え……っ、さすがに公の場でキスをするのは……──んむ、』

「……」

『ん、んーー！！ぷはっ、ちょっとォ！？』

「────チッ……静かにしろ。あそこで怪しい動きがある。いいから俺に合わせろ」

『またヒーローボランティア？はぁ……分かりましたよ』

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