雪と炎のシンフォニー【倉庫】 (ページ1)

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【番外編０１】緑谷出久が思うこと【学生編】ページ1

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なんとなく書いていたけど話の進行上、本編からあぶれてしまった番外編です
体育祭終了後から林間合宿の間くらい？

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緑谷出久は自分の席で本をパラパラとめくり、その中身を眺めいた。
以前に図書室で借りたオールマイト関連の書籍だが、そろそろ返却しなくてはいけない。
名残惜しさを噛み締めながら、最後にもう一度お気に入りのページを目に焼き付けた。

何度も読み返したそれを手に持って教室を出ようとすれば、難しい顔をした轟が教室へと戻ってきた。

「轟君、どうしたの？忘れ物？」
「緑谷か……その、Aを見なかったか？」
「Aさん？」

そういえば、と緑谷は経営科の教室がある方へと顔を向ける。
いつもならとっくに轟を迎えにきているはずの時間だ。

「ホームルームが長引いているとか？」
「いや、経営科の教室に行ったけどいなかった」
「じゃあ先に帰ったとか」
「そう思って下駄箱を覗いたら靴はあった」
「う～ん……何か用事が？」
「聞いてねぇし、連絡も来てねぇ……。メールの返事もねぇし」

手に持っていたスマホの画面を見て首を横に振る。
この兄妹はとても仲が良い。
兄妹に見えないからイチャつく２人を見て、たまにドキドキしてしまう。

「あとは……急な呼び出しとか？」
「急な呼び出し……？」
「その……ほら、よくある放課後に告白……とか？」
「は？誰に？」

可能性の１つを示せば轟は顔を歪め、今まで聞いたこともないほどの低い声を出した。
そこはかとなく冷気が漂っているのは彼の個性か、それとも自分がそう感じているだけなのだろうか。

「あっいや、例えばだよっ？」

緑谷は己の失言に焦りながら、轟に落ち着いてと両手を体の前で上下させた。

(そうだ。轟君もそれなりのシスコンだったっ！)

Aのブラコンが印象深くてすっかり忘れていた。
図書室でAと会って話した時に、「本当に轟君のことが好きなんだな……」と感じていたが、あそこまでブラコンだとは思わなかった。

「あ、そうだ。もしかして図書室に居るかもしれないよ？」
「図書室？」
「この前、同じ日に本を借りたんだ。今日が返却期限だからもしかしたら……」

オールマイトが表紙を飾っている本を見せて可能性の１つを示唆する。
他にあてのない轟は緑谷に同行する形となった。

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