愛することすら、許されない２【爆豪勝己】 (ページ31)

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★☆　神様のいたずらページ31

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「なあ緑谷、ちょっと聞きたいんだけどさ」
「なに？上鳴君」

　後ろのデスクで作業をしてたアホ面がデクに声を掛けていた。

　俺は眉間に皺を寄せる。
　次々ヒーローが応援に来る中、なんの因果かコイツらは俺と同じ部署に配属された。鬱陶しくて仕方がない。パトロールのペアをクソデクにされかけて、全力で拒否したのはついさっきの出来事だ。

「Aちゃんの名字って百日紅(さるすべり)だったよな？」

　……百日紅？俺はできるだけ会話を耳に入れないように作成中の報告書に集中するつもりだったが、聞き慣れないがよく知っている名前に反応してしまった。

「うん。そうだよ」
「ちなみに長女？」
「そこまでは……。それがどうかしたの？」
「日本のニュース見てたらこれが目に入ってさ」
「ん？なになに？『百日紅家長女誘拐事件の犯人が逃走。捜索中』……。え、百日紅って──」
「どけクソデク！」
「痛った！何するのさっ」
「あ、それ俺のパソコン！」
「うるせえ、黙って寄越せ」

　クソデクを蹴りで押し退けアホ面のノートパソコンをぶん取った。自分の見やすい位置に移動させ、コイツらが見ていたであろうニュース記事に目を通す。

　画面には『百日紅家長女誘拐事件の犯人が逃走。捜索中』の見出しとその内容が書かれていた。逃走したのは十五年前に誘拐事件を引き起こした犯人の一人。現在も逃走中で、警察が行方を追っているという内容だった。

　下の方に》誘拐事件について《というリンクがあり、俺はその文字をクリックした。数秒の読み込み時間がイライラさせる。

「なになに？やっぱりAちゃん絡み？」
「あ、これオールマイトが応援で駆けつけて解決した事件だ！」

やっと表示されたと思ったら、アホどもが両横でごちゃごちゃ話し始めた。

「だあー！！寄んな暑苦しい！！」
「いやだから俺のパソコンだって！」
「僕だって気になるよ！」

　背後から顔を覗かせて画面を見ようとする二人を振り払うが、抵抗しながらも記事を読んでいた。

「そっかこの女の子がAさんだったんだ……」
「知ってるのか緑谷」
「うん。ヒーローが助けにいったらヴィラン側が罠を仕掛けていて一時ピンチになったけど最終的にオールマイトが──」
「だあッもう耳元でごちゃごちゃとうるせーなアッ！！」
「わわ、かっちゃん落ち着いて！」
「だからそれ俺のパソコンだって！！」

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