愛することすら、許されない２【爆豪勝己】 (ページ21)

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★☆　優しいきらめきページ21

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　巨大人工移動都市Ｉ・アイランド。その町並みを懐かしく感じながら僕──緑谷出久は同期の上鳴君と散策していた。

「あ、かっちゃんだ」
「うわ、またかよ。ほんと人気だなダイナマイト」
「はは、そうだね」

　巨大スクリーンに映し出されるヒーローダイナマイトを眺めて呟く。ヴィラン相手にイキイキと戦っていたかっちゃんが、救援活動をしていることに驚きを隠せない。

「急にヒーロー活動を休止するなんて言い出したから何かと思ったけど……まさかＩ・アイランドに来ていたなんて」
「な。気づいたら日本にいねーし」
「たまたま現場で一緒になった八百万さんに聞いてびっくりしたよ」
「変な繋がりあるよなー、そこ」

　五年ぶりのＩ・エキスポ開催まであと一ヶ月。招待されるはずのない僕たちがなぜこの都市に来ているのかというと、ずばりボランティアである。

　外界との交流を完全に遮断していたＩ・アイランドが内密にヒーローを要請した。数日前に大嵐が発生し、あらゆる場所で被害が出たことで救援を欲しているらしい。

　また、雷の影響で一部のセキュリティーが制御できなくなっていた。Ｉ・エキスポを控えている現状としては、大きなトラブルは避けたい。セキュリティーの普及は時間がかかるため、一部の規制を解除してヒーローを迎え入れる体制をとった。

「ボランティアだけど、そのまま現地に滞在してＩ・エキスポを満喫しても良いってのが魅力だったよな」
「そうなんだ！僕もそれが決め手で立候補したんだ。でもかっちゃんはそれよりも前から来てるんだよね？」
「ヒーローランキング上位の権限で来たんじゃね？」
「まあ、そうなんだろうけど……なんで？」
「さあ？」

　僕と上鳴君は首を傾げる。Ｉ・エキスポの開催が噂されはじめた頃から、急激にやる気をだしたかっちゃん。小さな案件から大きな案件まで。ブチ切れながらもおばあさんの荷物を持ってあげたりと、ちゃっかり市民からの好感度も稼いでいた。

　それがＩ・エキスポに行くためだったとしたら、かっちゃんの興味を引くものがここにあるということだけど……？

「あ」

　考えに集中していても、自分が気になる店は視界に入った時点で反応するらしい。

「上鳴君、ごめん。僕、行きたいところがあるんだ。今日はここで」
「ほいほーい」

　上鳴君と別れて目的の店へ。

　そこで僕はかっちゃんの執念深さを知ることとなる──……

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