愛することすら、許されない２【爆豪勝己】 (ページ2)

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☆☆　夢見ることさえ許されないページ2

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　 ……──やってしまった。

　視界に入ってきた光景が信じられなくて、今しがた開けたばかりの目をギュッと閉じた。ゆっくりと呼吸をしてもう一度目蓋を開く。さっきと同じ光景。……何も変わらなかった。

　やわらかなシーツの感触。腰に回された逞しい腕。すぐ側から聞こえる寝息。数日前にも今と似た状況を体験した気がする。

　目が覚めたら爆豪さんの部屋。正確には彼の宿泊先のホテル。どういう経緯でここまで来たのか、前回と同じく全く記憶にない。

「起きたんか」
「えっと……はい」

　私が布団の中でごそごそと動いたことで爆豪さんも目を覚ましたらしい。片目だけ開けて私の目覚めを確認する顔は、まだまだ眠そうだった。

「まだこんな時間かよ……ま、いいか」

　爆豪さんは時計を確認するとおもむろに体を起こし、くぁ……っと大口を開けてあくびをした。その上半身は何も身に付けておらず、鍛え上げられた筋肉に目を奪われてしまった。ああ……なんて眼福。

「……何見てんだよ」
「すす、すみませんっ！」
「別にいいけどよ。…………風呂、入るんだったら入ってこい」
「え」
「昨日、入ってねーだろ」
「あ、の……」
「なんなら一緒に入るか？」
「か、からかわないでくださいっ！」

　私の反応が面白いのか爆豪さんはくつくつと笑う。気まずさで目を合わせられず、起き上がりながら乱れた髪を整えた。

「……恐縮なのですが」
「あ？」
「どうして私(わたくし)はまたもや爆豪さんの部屋に？」
「また覚えてねーのかよ。……ま。だろう、な」
「えっ、わ……っ」

　肩を押されて再びベットに沈められる。両手で囲い込むように爆豪さんは覆い被さってきた。乱れたスカートが膝上までめくれ上がっている感じが羞恥を誘う。

「あ、ああ、あああの……、」
「さて、どこまで覚えてるか確認だ」
「か、確認？」

　爆豪さんの表情から、からかう様子はがなくなった。

「お前は俺と食事に行った」
「ええ、覚えてます。それは覚えてますわ」
「俺の籠手を修理すると言った」
「言いました」
「その後は？」
「えっと……」
「ワインを頼んだのは思えてるか」
「あ、はい。少しいただいたような……」
「“少し”だァ？」
「へ……！？」

　見下ろす爆豪さんの眼光が鋭くなって体を固くする。なにか失言でもしてしまっただろうか。

「ガブガブ飲んでただろーが！」

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