愛することすら、許されない【爆豪勝己】 (ページ33)

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★★　全てやり直せるとしたら、俺はページ33

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　翌日、俺は大学の研究室に訪れた。

「すみませんでした！」
「……は？」

　Aは顔を合わせるや否や謝罪と同時に勢いよく頭を下げた。

　サポートアイテムを返却するためにやってきたのだが、俺の無神経な行為で怒らせてしまったこともあり、会うことを拒否されるのではと考えていた。まあ、その場合は強行突破という手段をとるつもりだったが、まさかの展開である。

「なにが？」

　呆気にとられた俺はその意味を尋ねることしかできなかった。

「……昨日、失礼なことを言ってしまったことです」

　Aはまず俺の質問に返答した。

「本当にすみません。危険な場所に助けにきていただいたのに……お礼も言わずに私(わたくし)……っ」
「あ……いや、」

　さらに深く頭を下げたAに、俺は驚き目を瞬いた。そんなこと、気にもとめていなかった。世間の人間はヒーローに助けられることが当たり前と思っている奴がほとんどだ。

「……別に。それが俺の職業だ」

　だから頭を上げろ──と、俺はAの肩に手を置いた。Aはゆっくりと顔を上げ、不安を抱える目で俺を見上げた。

「熱はもういいのかよ」
「え……？あ、はい。この通り」
「ほんとか」

　俺をまっすぐに見上げる顔にゆっくりと手を伸ばす。Aは振り払うことなく受け入れた。頬を撫でてから前髪を払って額に触れ、手のひらで体温を測った。

「……嘘は言っていねぇみてーだな」
「あの、えと……」
「ったく、治ったふりして出掛けていきやがって」
「いえ、あの時は熱はなくて……」
「こうやって確かめてやりゃよかったわ」
「あ、ちょ、グリグリしないでください。ちゃんと反省してますからっ」

　親指の腹で額を押すと、Aは逃げるように一歩後ろに下がった。俺の攻撃から守るように両手で額を隠した。

「あの……昨日は本当にすみませんでした」
「うぜぇ、それ以上謝ったらそこのクッション爆破してやらぁ」
「ええ！？やめてくださいっ！！」

　俺が指差したクッションをその身で隠すように立ちはだかる。そんなに大事なんかよ『ダイナマイト』のクッションが。冗談のつもりだったが、本当にどうにかしてやりたくなった。

「だ、だめですからね！」

　俺の思考を見抜いたのかAの顔に焦りが宿った。

「おい」
「な、なんですかっ」
「来い。出掛けるぞ」
「…………はい？」

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