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★★ どうしても伝えたい言葉がある ページ11

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「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」
「長いため息ですね」
「……あ?」
「こっちまで聞こえてますよ」


 ゴーグル女は俺に背を向けたまま、振り向きもせずに言った。さっきからずっと研究室の床に座り込んで変テコな機械をいじっている。


 俺はというと、この部屋の奥にある仮眠室のようなところにいる。眠ったまま起きる気配のないAをベッドに寝かせたあと、その寝顔を見つめていた。せっかく会いにきたっつーのに……。ため息もつきたくなるわ。


「っつーか……なんだよコレ(・・)
「あ、やっぱり気になります?」
「気になんねー方がおかしいわ」



 俺が指摘したのは仮眠室の棚に陳列されたヒーローグッズ。その全てが爆心地関係のものだった。公式のものから景品でしか当てられないようなものまで。ついでに言うならAが使っている布団のシーツも黒にオレンジと深緑のラインが入った爆心地カラーだった。


「そこにあるのは全部、Aのコレクションです。触ると怒られますので見るだけにしてくださいね」
「……」


 箱に入ったまま飾られた限定版のフィギュア。壁にはデビューして間もない頃に街で飾られたポスター。うっわ、なんだこりゃ。すっげー居心地が悪ぃ。


「……こいつ、どんだけ俺が好きなんだ」
「大好きですよ」
「はっ!?」
「見てわかる通り、彼女はあなたの大ファンです」
「お、おぅ……」
「毎日あなた関係のニュースをチェックしてますし、グッズも予約注文しています」
「……」
「ドン引きしないであげてくださいね。直接活躍を目にできない分……いえ、だからこそ映像やグッズで我慢しているんですから」



 別にドン引きしてるわけじゃねぇ。こいつがそんなに俺のことを見ていたと思うと、むず痒い気持ちになる。緩んできた口許を引き締めながらもう一度Aの寝顔を見下ろした。



 顔の汚れに目が行き、それを拭うように指先に力を入れて撫でる。ここ数年触れることすらできなかった感触を確かめるように何度も、何度も。……とそこで、疑問が思い浮かんだ。


「オイ、ここは外と連絡は一切取れねーんじゃなかったのかよ」
「取れないですよ。外部とは断絶されてます。ただし情報を取り入れることは可能です。テレビなりラジオなり。新聞だって電子版で購読できますし」
「は?んなこと聞いてねーぞ」
「私もこっちにきて知りました。要はここの技術が漏えいしなければいいのですよ──よし、」


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設定キーワード:ヒロアカ , 僕のヒーローアカデミア , 爆豪勝己   
作品ジャンル:アニメ
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ルイちゃん(プロフ) - ご。 この小説の続編が出来て読みたいと思っていたら、パスワードがかかっていたので、とてもとても読みたい為、教えて頂いたらとても光栄です。 この小説もですがこれまで作っている小説がとても大好きです。 (4月2日 8時) (レス) id: 37d47bd104 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑪瑙 | 作成日時:2019年3月18日 22時

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