愛することすら、許されない【爆豪勝己】 (ページ27)

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★★　ふわりと舞うようにページ27

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ドオォォンッ！！

「……っ！」

　繰り返される爆発音で意識が現実に戻された。

「先に行くぞ」
「え、あ、よろしくお願いします！」

　チンタラ走る警官を追い越し、爆破の勢いを利用して一直線に現場に向かった。だんだんと距離が近づき、小さく火が上がっているのが見えた。

「オイ、状況は！」
「ダ、ダイナマイトさんっ！？あ、ええっと現在、消火と避難を急がせています！」

　すでに到着して現場で指揮をとっていた別の警官は答えた。消火活動が進む中、次々と建物内にいた人が出てくる。俺はそこにいる人間の顔を順に確認した。

　被害のあった場所が実験棟と聞いて、「別の施設だろう」という希望と「もしかしたら」という懸念を抱いて駆けつけた。見当たらないのは違う場所なのか、それともまだ────……

「すみません！まだ中に人がいるんです……っ、崩れてきた壁が道を塞いで通れない状態で！」

　聞き覚えのある声に俺は振り向く。レスキュー隊に訴えかけていたのは、昨日Aの研究室にいたゴーグル女だった。

「オイ！まだ中にいる奴って」
「ダイナマイト？あ、はい、Aですっ、あの火の近くに……」
「──……チッ」

　その名を聞いた途端、俺は建物目がけて飛び出していた。放水しているはしご車を無断で駆け上がり、爆破を利用して建物に向けて思いっきりジャンプした。隊員が何か叫んでいたが今は耳に入らない。

「A！」

　爆破で壁を破壊し、転がるようにして建物内に着地した俺は、何よりも先にAの名前を叫んだ。火はまだ消えていない。煙で視界が悪くなっている中、俺は目を凝らした。

「ばく……ごう、さん？」
「っ！Aか！？」

　微かな声に反応して俺は足を進める。鉄製の大きなトランクを抱えながら、口をおさえてしゃがみ込むAがいた。自力でここまで避難してきたらしい。俺はすぐに駆け寄った。

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