☆★「おい、マジかよ」 ページ17
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一週間の中で一番疲れる時間割が今日だ。何せ午後にヒーロー基礎学の実習と体育がある。お昼をしっかり食べたとしても、放課後には空腹状態になっていることも少なくない。
「よっしゃ！なんか食いにいこうぜ！」
「おう！緑谷はどうする？」
「あ、僕も行くよ」
上鳴君の呼びかけで数人の生徒が集まり、僕らは雄英近くのファミレスに行くことになった。
☆
「あの、このメニューは正しいのですか？桁が１つ少ないように思えますわ」
「間違ってないよヤオモモ。これがウチらの普通なの」
「そ、それは失礼しましたっ」
本日のメンバーには珍しく八百万さんが含まれていた。以前から興味があったらしく、行き先を聞いて目を輝かせていた。そしてメニューに並ぶ数字を見て驚いていた。赤面する八百万さんに皆は優しい眼差しを向けている。
「おい、マジかよ……」
そんな中、上鳴君がボソッと訝し気に呟いた。
「まあまあ、八百万さんだって嫌味で言ってるわけじゃ……」
「いや、そうじゃなくて」
上鳴君が僕──ではなく、僕の後ろを指差した。まぁ、ここはファミレスだし珍しい人がいてもおかしくな──……
(──ええええ……っ！？)
振り向いた先にあったものに目を剥いた。だってそこには──
「こ、これは……え？このメニュー間違ってません？桁が１つ少ないような……」
「こんなところで金持ちアピールすんなや！」
「え！？あ、申し訳ございません……」
少し離れた席にかっちゃんと
「か、上鳴君っ。ここはそっとしておこう！他の皆はまだ気づいていないみたいだし、刺激したら大変なことになるだろうし！！」
「お、おう……」
上鳴君は衝撃に固まったまま頷いた。動揺のあまり、包装されたままのストローをコーラにつっこんでいた。
「あれ……マジで、爆豪なんだ……よな？」
「か、上鳴君……。あんまり見てたら気づかれ──……っ！！」
と言いつつ、気になってもう一度後ろを振り向いたら、なんと百日紅さんと目が合ってしまった。
まずい！僕は焦りながら、“気にしないで”の意味を込めて顔の前で両手を振った。──が、そのジェスチャーがいけなかった。彼女は僕が手を振っていると勘違いしたのか、僕に応えるように控えめに手を上げた。
そして優雅に微笑んで口を開いた。
「緑谷さん！」
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☆★「まさか爆豪にあんな可愛い彼女がいたなんて」→←０６★★「寝てんのか」
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年10月25日 0時
