０５◆「俺のせいにすんなや」 ページ15
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「……なぁ、どうやったら彼女ができると思う？」
「あ？ 知るか」
ため息をつく切島に爆豪は素っ気なく返事をした。
場所はショッピングモールのフードコート。
偶然同じ任務を与えられた２人は、休憩がてら遅い昼食をとっていた。
「いいなぁって思ってた子がさぁ……、彼氏できたとか言い出したんよ」
切島が悲しい顔で一方的に話しはじめた。
「俺に相談して良かったって……。相談するふりして俺の好みの探り入れてると思ってたのに」
「ハッ」
爆豪は興味なさそうにしていたが、項垂れる切島を見てバカにしたように鼻で笑った。
「お前はいいよなぁ〜。Aちゃんがいるから…………ん？」
切島は水を飲みながら羨ましげに爆豪を見る。
その時、たまたまピントが背後のゲームコーナーに合い、意外なものが目に入った。
「なぁ爆豪。あれAちゃんじゃね？」
「あ？」
爆豪は振り向いて切島が指を差した先を見た。
そこにはＵＦＯキャッチャーに苦戦するAの姿があった。
＊
Aは真剣な顔つきでアームの位置を確かめながら、慎重に操作していた。
ここだ、という場所で降下ボタンを押す。
ゆっくりと標的にアームが近づく。
(これならいけるかも……！)
険しい顔つきで両手を添えて、ガラスの中を見守った。
「────オイ」
「ひゃあ……っ！？ ────あっ！」
後ろから声が掛かり、驚いて本体に衝撃を与えてしまった。
いい感じに引っ掛かっていたぬいぐるみが、ポロッと元の場所に落ちる瞬間をAは目撃してしまった。
何も持っていないアームが落し口の上で無意味に開かれる。
「うぅ……せっかくとれそうだったのに……。勝己君の……勝己君のバカ」
「あ？」
涙目になりながらAはガラスの向こう側を覗き込んでいた。
「いい歳こいて何してんだ」
「年齢は関係ないでしょ！ 欲しいものは欲しいの！」
Aの目的は『特大ヒーローぬいぐるみ』のショートだった。
売れてきた若手プロヒーローがモデルのぬいぐるみが、先日ＵＦＯキャッチャーで登場した。
それが欲しくて仕方がなかったのだ。
「なのに……勝己君が驚かすから……」
「俺のせいにすんなや」
「──いや、今のは確実に爆豪が悪いって……」
切島は同情の眼差しでAを見る。
爆豪がわざと邪魔したように見えたから。
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「なにムキになってんだよ」→← 「勝己君が来てくれなかったら」
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年8月20日 0時
