比翼連理には程遠い２【轟焦凍】 (ページ10)

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Aは困惑していた。
これ以上どう言ったらいいものか……と。
このままでは轟１人のわがままで夢にまで見た『友達とカフェ』が潰えてしまう。
Aの内心は焦りに焦っていた。

「轟さん」

すると静かに見守っていた八百万が口を開いた。

「私は轟さんの言いたいことはよく理解しています。ですが今回はAさんの外出を許可していただけませんか？私達にもAさんと仲良くする機会を与えてください」

轟に向けて宥めるように嘆願する。
しかしその言い方にある引っかかりを覚えた。

(……私の外出の許可？)

轟は日程の話をしているはずなのに、なぜ自分の名前が出るのかと首を傾げる。
そんな疑問をよそに２人の話は進んでいく。

八百万と轟の会話はソファーに座っているAを挟んでの会話なので、居心地が悪いことこの上ない。
移動するタイミングを見失い、頭上を飛び交う２人の話をぽけーとしながら大人しく決着がつくのを待っていた。

そして数分後。

「──ですから、ね？もしよろしければ、補講が終わった後に轟さんも合流してくださって構いませんから」

「………………。分かった」

轟は八百万の説得に少し悩んでからようやく了承の言葉を口にし、Aは安堵の息を吐いた。

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