比翼連理には程遠い２【轟焦凍】 (ページ33)

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＊ … * … ＊ … * …＊

「えっ？なんで飯田君がここに？」

「うちもヒーロー一家だからな」

「“うちも”……？ってことはやっぱり今日の出席者にはヒーロー関係者が多い感じ？」

「……」

「飯田君？」

Aが疑問に思ったことを確認しただけなのだが、飯田は何も言わず表情を硬くしただけだった。
聞かれたことにはハキハキと答える彼が言葉を詰まらせるのが不思議でAは首を傾げる。

「どうしたの？」

「……やはり君は知らないみたいだな」

「知らない？」

「このパーティーの意味だ」

言いながら飯田は視線を会場に向けるので、Aも同じように様子を伺った。
何かおかしい──……と感じたのは、気のせいではないだろう。
会場にいたほとんどの招待客が自分を見ていた。
挨拶する機会を窺っていたのかとも思ったが、彼らはAが振り向いたと同時に視線を逸らし、ただパーティーを楽しんでいる客のように振る舞うのだった。

(……)

その不自然さに不快感を覚え、視線を飯田へと戻した。
そして問う。

「どういうこと？」

「それはだな……、……」

「飯田君？」

「……場所を移そうか」

彼は私が尋ねたことに対しての答えをくれようとしたが、周囲が聞き耳を立てていることを気にして口を噤んだ。
話しにくいこと？
視線で尋ねると彼は僅かに頷いた。

「じゃあ来客用の控え室に案内するね」

こっちだよと会場の扉へと促す。
すぐに退出するなんてと怒られるかもしれないが顔は出したし、義理は果たしのだから構わないだろうと言い訳をしよう。
そもそもこのパーティーに自分は必要なのか。
帰ってきてからずっと疑問に思っていた。

(視線がうるさい……)

自分へと注がれる数々の視線が気になって仕方がない。
これも飯田が教えてくれるのだろうか。

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