比翼連理には程遠い２【轟焦凍】 (ページ12)

今日:15 hit、昨日:35 hit、合計:267,421 hit

◇◇ ページ12

.

「ん。終わった」

「……どうも。ってなにこれ」

返ってきた端末を眺める。
アドレス張のた行の最後に「轟焦凍」の文字が追加されていた。
……のはいいのだが、Aが眉を顰めたのはその内容だ。
メールアドレスや電話番号はいいとして、住所やら誕生日やら血液型やら個性やらと、どうでもいい情報も入力されていた。
彼は埋められる項目は埋めないといけないと思っているらしい。

「……焦凍君」

「ん？」

「みんなにこうやって登録してるの？」

あまり個人情報をばらまくのはよくないと思うのだが……。
プロフィール帳と勘違いしているのかもしれない。

「いや、Aだけだ」

「私だけ？そっか、ならよかった」

無闇に情報を与えているわけではないと知り安堵する。
なにせ彼の父親はプロヒーローだ。
もしこの情報が悪意のある人物の手に渡ったら悪用されかねない。

「他の人にはやっちゃダメだからね。分かった？」

「分かった。絶対しねぇ。約束する」

念を押せば、まるで誓いをたてるかのように轟は強く頷いた。
なんだか浮かれているような声色だったけど、約束してくれるならいいやとAはスマホをポケットに戻した。

＊ … * … ＊ … * …＊