□ 失われた雪の欠片 ページ8
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爆豪は悩んでいた。
誕生日プレゼントとして体育祭のメダルを与えたが、それだけでは自分が納得いかなかった。
知っていたら事前に用意して当日に渡していたのに。
切島にぽろっと愚痴ると『爆豪ってそういう記念日に興味がなさそうだし、遠慮したんじゃね？』と的を射た推察が返ってきた。
(クソ髪のくせに理にかなったことを言いやがって)
妙に納得してしまい、遠慮させてしまった自分が不甲斐なく感じた。
現在爆豪は単独行動をしている。
Aは「髪を整えたい」と地元の美容室まで出掛けて行った。
その後でデートしよう、と誘われたので集合場所付近で時間をつぶしていた。
終わったらこちらに向かうというAの連絡を待つ。
暇つぶしに、賑わいのある雑貨屋に入って物色していた。
そこでふと目に入ったのはマグカップ。
同じデザインだが青とピンクの色違いでペアものだ。
AがＡ組の寮で何かを飲む時は、共用のマグカップを使用していたことを思い出した。
寮のものを使う生徒もいれば、自前のものを使う生徒もいる。
確か、女子は全員何かしらの柄の入ったものを使っていた。
そして同柄であることを利用して、峰田が“うっかり”間違えてAのカップに手を伸ばしたことも思い出した。
(……)
爆豪は他の日用品を入れたカゴの中に、２つのカップをそっと忍ばせた。
ラッピング用の袋とリボンも買って。
デートの前に荷物ができてしまったが、気になる量ではない。
傷を付けないように慎重にリュックに詰め込んだ。
《ついさきほど、個性を暴走させて暴れていた男を逮捕しました。被害にあったのはその場にいた数人の男女。地元勤務の会社員、近隣に住む女性──》
大通りのモニターがニュースと被害者の情報を伝える。
それをぼーっと眺めていると、スマホから着信を知らせる音が鳴った。
『爆豪っ！』
「……クソ髪か、何の用だ」
『轟からの伝言なんだけどなっ！ いや、正確にはエンデヴァーが連絡をもらってそっから轟に──』
「いいから用件を言えっ」
なかなか本題に入らない切島に、苛立ちを含ませた声で促す。
『Aちゃんが……っ、事件に巻き込まれて病院に運ばれたってっ！！』
「…………は？」
《──犬を散歩させていた初老の男性、そして雄英高校の女子生徒が巻き込まれて意識不明の状態です》
ニュースを伝える音声が路上に冷たく響いていた。
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パチ麻呂(プロフ) - 続編うれしいです、作者様もどうかお身体に気をつけてください！ゆっくりでもいいのでずっと待ってます(;_;) (2020年5月8日 0時) (
レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 完結ですか？？この作品ものすごく好きだったので完結するのが悲しいです((泣)) (2020年3月5日 20時) (レス) id: 3aa825630d (このIDを非表示/違反報告)
鳳＊(プロフ) - えっ、、、イラスト美味すぎん、、、？作品内容もバリ良きだけど、イラスト書いている私からしてもこりゃ上手いわ……！ (2020年1月16日 17時) (レス) id: 63e109079e (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - お話は面白いし絵も素敵です。 (2019年10月24日 2時) (レス) id: 4b6f8d26fa (このIDを非表示/違反報告)
ツートップは神でしょ - すいません！轟さんバージョンの作品を見つけました！知らずに聞いてすいません・・・でもこのシリーズとっても大好きなのでこれからも頑張って下さい！！ (2019年5月8日 20時) (レス) id: 1be51e16a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年11月14日 22時
