失われた雪の欠片１２ ページ19
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翌日、病院にて。
Aは担当医師に記憶が戻った時の状況を説明していた。
「思い出した時はどんな感じでした？」
「んー……突然立ちくらみがして、意識がぼーっとして。……なんて言うんですかね、『あれ、そういえば』みたいな感じでした。ね、勝己君」
「俺に聞くな」
爆豪も付き添いで病院を訪ねていた。
待合室で待っているつもりだったが、Aの希望で診察室まで同行することになった。
「思い出した直後はどうでした？ 頭が痛いとか、体に不調は？ お父様が連絡した時は出られない状況だとお聞きしましたが」
「えっ、あの、少し……混乱してまして……」
ちらりと一瞬だけ後ろで立っている爆豪を見た。
思い出すのはあの時の状況。
爆豪にとってはあまり触れられたくないことなので、その視線から逃げるように気づかないふりでやり過ごした。
「今はもう大丈夫です。ちょっと頭が疲れてる感じ……は、ありますけど」
「わかりました。何かあったら遠慮なく相談してください」
「はい」
カルテに文字を書き込む医師に「ありがとうございました」と頭を下げ、部屋を出た。
＊＊＊＊
病院を出て帰路へとつく。
雪が降ってもおかしくないくらい、外の気温は低かった。
「うぅ、寒いっ。勝己君、帰ったらココア作ってよ」
「へいへい」
ねだるAに仕方ねーな、と頷いた。
「そうだ、あのマグカップ誰のだろ？ 私の好みドンピシャだったからてっきり私のかと」
「……」
「いいなぁ〜。職場体験で買い物したの覚えてる？ 私、その時に雑貨屋さんであのマグカップを見つけたんだけど、次に行った時はなくなってて……」
「……」
「確か色違いのペアものだったよね。お揃いで使いたかったのになぁー……」
「──、──」
「え？ なに？」
爆豪がモニョモニョと何か言っているので、Aは顔を近づけて聞き返した。
「……あれはてめーに買ったやつだ。やっぱメダルじゃアレだし、誕生日プレゼントとして……ペアで買って……。だから……あのマグカップはてめーのもんだよ」
「え、そうなの！？ もらっていいの！？」
「ああ」
「やったぁ！」
Aは満面の笑顔で喜んだ。
「焦凍とお揃いでつーかお！」
「オイ！！」
「冗談だって。勝己君とお揃い、すごく嬉しい！」
帰ったらあのカップでココア飲もうねと腕を絡めて軽やかに歩く。
今日くらいは良いかと、爆豪は悪態をつかずに歩を合わせた。
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パチ麻呂(プロフ) - 続編うれしいです、作者様もどうかお身体に気をつけてください！ゆっくりでもいいのでずっと待ってます(;_;) (2020年5月8日 0時) (
レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - 完結ですか？？この作品ものすごく好きだったので完結するのが悲しいです((泣)) (2020年3月5日 20時) (レス) id: 3aa825630d (このIDを非表示/違反報告)
鳳＊(プロフ) - えっ、、、イラスト美味すぎん、、、？作品内容もバリ良きだけど、イラスト書いている私からしてもこりゃ上手いわ……！ (2020年1月16日 17時) (レス) id: 63e109079e (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - お話は面白いし絵も素敵です。 (2019年10月24日 2時) (レス) id: 4b6f8d26fa (このIDを非表示/違反報告)
ツートップは神でしょ - すいません！轟さんバージョンの作品を見つけました！知らずに聞いてすいません・・・でもこのシリーズとっても大好きなのでこれからも頑張って下さい！！ (2019年5月8日 20時) (レス) id: 1be51e16a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年11月14日 22時
