闖入 ページ44
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爆豪の手とAの唇の間に第三者の手が入り込んでいた。
その手はAの顔半分を隠すように唇を覆っている。
(……っ！？)
ぐいっと爆豪から離れるように後ろに引かれた。
かと思うと、ぽむっと背中と後頭部に逞しい胸の感触。
Aを引き寄せる人物とぶつかったのだ。
「あれ？ 焦凍？」
熾雪がAの後ろにいる人物の名を呼んだ。
どうしてここに？という顔。
爆豪も同様に、そしてA自身も問いたかった。
「A」
「……っ！？」
頭の上から降ってくる声に、ピクッと肩が跳ねる。
口元を覆っていた手が離れて呼吸が楽になった。
ふぅっと息を吐くと、爆豪に伸ばしていたAの手に轟の手が重ねられ、そっと外された。
さらにそのまま両手をぎゅうっと掴まれて、逃げ場がなくなる。
(え！？ なにこれどういう状況！？)
一連の動作にAは戸惑うばかり。
轟と話をしてから、まださほど時間は経っていない。
もう会うことはないだろうと思った矢先の再会に混乱が広がる。
「……爆豪」
「テメー、なんつー顔してんだよ。別にとって食やしねーわ、こんな根暗女」
「焦凍のそんな顔が見れるなんて……ふふ」
爆豪は不快そうに眉を歪め、なにやら失礼なことを口にしていた。
その隣にいる熾雪は両頬に手をあてて恍惚の表情を浮かべている。
轟はいったいどんな顔をしているのか……。
真後ろにいるので彼がどんな顔をしているのか、Aには分からない。
前にいる２人の反応が真反対で、予測すらも不可能だ。
気になるけど、顔を合わせる勇気はなかった。
それよりもこの状況をどうにかしてほしい。
視線に要求を込めて訴えるが、爆豪はそれを無視して椅子から立ち上がった。
「オイ、行くぞ」
「え？ でもせっかくの焦凍の──」
「ンな胸くそ悪ぃ場所にいられっかよ」
「むぅ……」
爆豪が半ば無理矢理に熾雪を連れて教室を出ていく。
ガラガラと閉まっていく扉の音を、Aは何も言えぬまま背中越しに聞くことしかできなかった。
(なんで……！？ え、待って！ この状況で２人きりにしないで！！)
気まずい空気のまま放置されたAは心の中で叫んだ。
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moeka(プロフ) - こちらの続編と轟兄妹との絡みを希望します。ぜひ検討して下さると嬉しいです。楽しみに待ってます。 (2021年6月28日 22時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
silver - どっちも好きですが、こっちが好き！ 続編を希望します！ (2020年11月7日 15時) (レス) id: 0515bcf5a2 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈(プロフ) - 私はどちらかと言えば癒月ちゃんの話の方が好きです。こちらの続編を希望します！ (2020年3月23日 5時) (レス) id: acabdf4bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです！更新頑張ってください！ (2018年12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙
| 作成日時：2018年7月21日 1時
