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八百万百 ページ35

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雄英が全寮制になって約2ヶ月。
あまり自由に出歩けなくなった生徒のために、学校側はいくつかの娯楽施設や飲食チェーン店を用意した。






八百万百はそのひとつであるカフェで、紅茶の入ったティーカップを眺めていた。


「八百万」
「あ、はい」



名前を呼ばれて顔を上げる。
彼女の向かいには赤と白の髪を持つクラスメイト、轟焦凍が座っていた。
視線は彼が注文したコーヒーに注がれている。




「えっと……私に相談でしたっけ?」
「ああ」


相談があるからと、このカフェに呼び出されたことを思い出した。



仲の良い緑谷や飯田ではなく、彼が溺愛している妹の熾雪でもない。
自分に持ちかけられたことにわずかながら喜びを感じていた。




「私にアドバイスできることがあるのでしたら……」


と副委員長らしく微笑んでみせた。
言いにくそうにしている轟が少しでも話しやすいようにと。





轟は飲む気配のないコーヒーカップに手を添えて、落ち着きなく淵を指で撫でていた。



「……会いたいとかキスしたいって思ったら、それはもう好きってことなのか?」
「はい!?」


微笑みから一変、八百万は驚倒した。
ティーカップに伸ばしかけた手をとめて轟を見る。


「と、とど、轟さん!? そそ、相談ってそういう相談ですか!?」
「そうだ」



頷く轟の表情には取り立てて変化はない。
冗談を言っているのかと考えたが、彼がそんなキャラではないことはこの半年で把握している。






一度落ち着くために、湯気を立てている紅茶に口を付ける。
あまり飲み慣れない味だったが、それなりに美味しかった。


「あの……1つ聞いてよろしいですか?」
「なんだ?」
「どうして私にその相談を?」
「…………クラスの中で一番大人びていて、知識が豊富そうだから?」
「なんかそれ、どこかで聞いたことありますわ……っ!」




この既視感。
熾雪の気持ちを聞き出そうと、芦戸が話題をふった時の彼女のセリフを思い出した。




(さすが兄妹と言うべきでしょうか、変なところで思考がシンクロしていますね……)






八百万は静かにコーヒーを飲む轟を盗み見る。


最近、彼の様子がおかしいことは気づいていた。
だからこそ少し心配になっていたので、相談に乗ることを引き受けたのだが……。




(まさか、恋愛ごとの相談をされるとは思いもしませんでした……)


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八百万百2→←轟焦凍4



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設定キーワード:ヒロアカ , 僕のヒーローアカデミア , 轟焦凍   
作品ジャンル:アニメ
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ヨシ - 爆豪の方も、こちらの話も、好きです!更新頑張ってください! (12月5日 21時) (レス) id: 26236bbcfc (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ(プロフ) - 私癒月ちゃんの方が好きかもです。 是非続編希望します。この作品が、シリーズの中で一番好きです! (11月11日 0時) (レス) id: 949b3c86b7 (このIDを非表示/違反報告)
シャララデルモ - 完結おめでとうございますッス!絵がとても上手いんですね!羨ましいッス!新作も期待してますッス! (2018年8月9日 23時) (レス) id: ae0a67348a (このIDを非表示/違反報告)
秋葉 - 完結おめでとうございます!でも願わくば続編を希望します…!とてもおもしかったです!! (2018年8月9日 20時) (レス) id: 7efc50ba9d (このIDを非表示/違反報告)
まめこ - 完結おめでとうございます!イラスト可愛い!頑張ってください! (2018年8月9日 19時) (レス) id: c944c1b12f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑪瑙 | 作成日時:2018年7月21日 1時

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