怒りの炎 ページ29
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室内はAが作り出した炎で充満していた。
自分を守るように纏わせ、爆豪を近づかせないように轟々と燃え盛っている。
窓が閉め切られているため室内の温度はどんどん上昇し、まさにサウナ状態だった。
それは己の怒りを表すためであり、目の前にいる人物を追い出すためでもあった。
「出てって……」
「あ゛あ？ 話させろって言ってるだろうが」
熱の発生源の一番近くにいる爆豪は半端なく汗をかいていた。
火傷気味の肌がヒリヒリするのか、痛みをこらえる表情がどんどん険しくなる。
自然と口調もけんか腰になり、対峙するAは体を強張らせた。
「は、話なんて聞きたくないっ、麗日さんとよろしくやってれば良いじゃない！！」
「……っ」
叫びと同時に舞い上がった炎が天井にある火災報知器に触れた。
熱を察知したことにより警報が鳴り響き、避難を促す。
おろおろと外に出る生徒を見送りながら、Aは目の前にいる爆豪を涙で滲む瞳で睨み続けた。
「何をしているお前たちっ！」
爆豪が来た時点で連絡を入れていた経営科の担任と相澤が現れた。
連絡を受け際には、「爆豪を引き取って欲しい」としか聞いていなかったが、これはまずいと相澤は個性を発動させる。
炎を消した相澤は暴れる爆豪を拘束して寮を去っていった。
「轟、お前な……」
「……すみません」
担任の咎める声にAは力なく謝った。
この惨状の原因は自分だ。
共用スペースの家具や床はところどころ焦げていた。
Aが発していた炎は、多少の熱さは感じるが触れても燃えることはない。
人や物に危害を加えないよう制御していたが、感情的になったことで一部が『炎』として顕現してしまった。
大事になる前に相澤に消されたので被害は最小限ですんだ。
あれ以上の個性の行使はAの人体にも影響があっただろう。
熱くなっている肌を冷気で冷やす。
(勝己君……火傷、大丈夫かな……)
熱気を帯びたAに直接触れた爆豪が心配だった。
原因である自分がそんなふうに思う資格はないのに──……
＊＊＊＊
その日はあらゆる方面から説教を受けた。
当事者以外に怪我はなかったのでひどくは咎められなかったが、３日間、自室での謹慎を言い渡された。
夜には学校から連絡を受けた父親と叔父から電話があり、何があったのかと説明を求められたが、Aは何も言えなかった。
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華 - 作者さまが、書かれている小説はとても面白くキュンキュンさせてもらってます！イラストも完璧で！ところで、雪と炎のシンフォニー6のパスワード教えてもらえないでしょうか？？ (2018年8月24日 17時) (
レス) id: 8f943258c6 (このIDを非表示/違反報告)
蘭羅(プロフ) - いつも読ませていただいてます。作者さまが書いてくださってる爆豪くんがほんとに私の理想通りでキュンキュンが止まりません！(>_<)イラストも素敵です！これからも作品を楽しみにしています(^-^) (2018年8月13日 1時) (レス) id: 8f11b721e2 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉#雅 - 続編楽しみにしてます。いつ投稿できそうですか？ (2018年8月9日 23時) (レス) id: bd7f78cad2 (このIDを非表示/違反報告)
四宮 - 回答して下さりありがとうございます！プロヒーロー編の先行公開も読ませていただきました！すっごく面白かったです！楽しみに待ってますね！ (2018年8月6日 23時) (レス) id: deef7ae511 (このIDを非表示/違反報告)
四宮 - いつも楽しく読ませていただいてます！あの、質問なんですけど、その6のプロヒーロー編って、書いていただけるんですよね？気になっちゃって笑すみません… (2018年8月6日 13時) (レス) id: 329a268fec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年7月7日 21時
