籠城 ページ28
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Aは切島たちを見送った後に、『ライバルの視察対策』を理由に『寮生以外の立ち入り禁止』を進言した。
これでしばらくは爆豪に会わなくてすむ。
Aの担当は当日に着るメイド服と執事服の調整。
丈を直したり、手を加えたり。
ちなみにスカートの丈は膝下のクラシカルなものになった。
共用スペースのソファーに腰掛けながら、布に針を通してレースを縫いつける。
細かい部分なのでミシンではなく手縫いで装飾を施していた。
「いた……っ」
指先にちくりとした痛みが走る。
ぽけーと作業をしていたので、うっかり針で指を刺してしまった。
(ダメだ、集中力が……)
夢見が悪くて眠りが浅い。
満足に睡眠をとれていないのだ。
長く息を吐いてソファーにもたれかかる。
少し休憩しようと目を閉じた──……
＊＊＊＊
「ちょ、部外者は立ち入り禁止だって言ってるだろっ」
「ウルセーーっ！！」
焦りを含んだクラスメイトの声と聞き覚えのある爆音を耳にして、意識を浮上させた。
ソファーから立ち上がり騒がしい方を見れば、無理矢理押し入ろうとする爆豪の姿が見えた。
何人かの生徒が取り押さえて外に出そうとするが、経営科の生徒がヒーロー科に勝てるはずがない。
爆豪はAの姿を確認した途端、驚くほどの力で複数の男子生徒を振り払った。
その圧倒的な力に誰もが息を呑む。
この場に彼を止められるものはいない。
爆豪は共用スペースまで上がり込み、ソファーの前で立つAに手を伸ばした。
「Aっ」
「やだ！ 触らないで……っ」
抱き寄せられたAは咄嗟に個性を発動させた。
「……熱っ」
爆豪も何かしら反撃があることは覚悟はしていたのだろう。
絶対に離すものかと抱きしめる力を強めたが、接触部分から伝わるのは冷気ではなく熱。
反射的に体を離して数歩下がった。
「はぁ……、はぁ……」
息を荒くするAの体からは炎が揺らめいていた。
白い髪の毛先は赤く燃え、体育祭で見せた姿をしていた。
「あんなの見せつけられて、冷静でいられるわけないでしょうっ」
「だから……、」
「どうして気持ちが落ち着くまでそっとしておいてくれないのっ！！」
Aは目に涙をためて気持ちをぶつけた。
「勝己君なんて……──」
大っ嫌い──なんて言えたら、どんなにすっきりするだろうか。
好きだから……こんなに苦しいんじゃない。
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華 - 作者さまが、書かれている小説はとても面白くキュンキュンさせてもらってます！イラストも完璧で！ところで、雪と炎のシンフォニー6のパスワード教えてもらえないでしょうか？？ (2018年8月24日 17時) (
レス) id: 8f943258c6 (このIDを非表示/違反報告)
蘭羅(プロフ) - いつも読ませていただいてます。作者さまが書いてくださってる爆豪くんがほんとに私の理想通りでキュンキュンが止まりません！(>_<)イラストも素敵です！これからも作品を楽しみにしています(^-^) (2018年8月13日 1時) (レス) id: 8f11b721e2 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉#雅 - 続編楽しみにしてます。いつ投稿できそうですか？ (2018年8月9日 23時) (レス) id: bd7f78cad2 (このIDを非表示/違反報告)
四宮 - 回答して下さりありがとうございます！プロヒーロー編の先行公開も読ませていただきました！すっごく面白かったです！楽しみに待ってますね！ (2018年8月6日 23時) (レス) id: deef7ae511 (このIDを非表示/違反報告)
四宮 - いつも楽しく読ませていただいてます！あの、質問なんですけど、その6のプロヒーロー編って、書いていただけるんですよね？気になっちゃって笑すみません… (2018年8月6日 13時) (レス) id: 329a268fec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年7月7日 21時
