戸惑いと嬉しさ ページ32
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その場にいたのは爆豪だけでなく、彼の後ろにはＡ組の生徒が勢揃いしていた。
荷物や格好からして講堂での練習終わりだ。
爆豪も制服ではなく上半身はタンクトップ。
ところどころに見える小さな火傷痕に思わず身を引くが、掴まれた手はびくともしない。
「離、」
「──離して欲しけりゃこの前みたいにやってみろよ」
「……っ」
爆豪は抑揚のない声で言うがそれはズルいと思う。
痛々しく包帯が巻かれた手に、そんなことができるわけがない。
よく分からない感情が胸の中に渦巻く。
ぽろりと瞳から雫が流れていくのを感じた。
「かっちゃんっ！」
「そういう言い方はよしたまえっ！」
緑谷と飯田が挑発的な発言を咎めた。
爆豪は眉１つ動かすことなく２人の言葉を聞き流し、自由な方の手をAに伸ばす。
頬を包むように触れ、親指で流れる涙をゆっくりとなぞる。
(……っ)
その優しい動作に心が揺れる。
戸惑いと嬉しさ。
あんな酷いことをしたのに、どうしてこんなふうに触れてくるのか。
「Aちゃん、あのね……」
「ぁ……」
皆と一緒にいた麗日が気まずそうに顔を出した。
目が合った途端、爆豪で体を隠した。
麗日が悪いとは思っていないが、どうしても体が逃げの方向に反応する。
心にもない酷い言葉を吐いてしまいそうで怖いのだ。
寄り添い合っていた２人の姿を思い浮かべて胸が痛む。
じわりと溢れ出てくる涙をまた爆豪の指が拭った。
なんだかそれが懐かしくて、爆豪の手に添えるように自分の頬をあてると、ピクッとその手が震えた。
「Aちゃん、私と爆豪君は……――」
「ちょっと待って。当事者が説明しても説得力がないと思う」
「そうですわね。ここは私たちがことの成り行きを説明しますわ」
耳郎が麗日の肩に手を置いて代わりに話すと持ち掛けた。
八百万も同意して他の女子生徒に目配せをし、彼女たちは頷き合った。
「あのねAちゃん、お茶子ちゃんだけが悪いわけじゃないの」
「それをいうと私たちにも責任があるっていうか……」
「そうなの……ごめんなさい」
「え？」
蛙吹、芦戸、葉隠がそれぞれ反省の表情を見せながら前に出てきた。
Aを刺激しないように言葉を選びながら、恐る恐るといった感じだ。
彼女たちは口々に謝罪の言葉と、どうしてあんなことが起こったのかを順を追って話し始めた。
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華 - 作者さまが、書かれている小説はとても面白くキュンキュンさせてもらってます！イラストも完璧で！ところで、雪と炎のシンフォニー6のパスワード教えてもらえないでしょうか？？ (2018年8月24日 17時) (
レス) id: 8f943258c6 (このIDを非表示/違反報告)
蘭羅(プロフ) - いつも読ませていただいてます。作者さまが書いてくださってる爆豪くんがほんとに私の理想通りでキュンキュンが止まりません！(>_<)イラストも素敵です！これからも作品を楽しみにしています(^-^) (2018年8月13日 1時) (レス) id: 8f11b721e2 (このIDを非表示/違反報告)
瑠嘉#雅 - 続編楽しみにしてます。いつ投稿できそうですか？ (2018年8月9日 23時) (レス) id: bd7f78cad2 (このIDを非表示/違反報告)
四宮 - 回答して下さりありがとうございます！プロヒーロー編の先行公開も読ませていただきました！すっごく面白かったです！楽しみに待ってますね！ (2018年8月6日 23時) (レス) id: deef7ae511 (このIDを非表示/違反報告)
四宮 - いつも楽しく読ませていただいてます！あの、質問なんですけど、その6のプロヒーロー編って、書いていただけるんですよね？気になっちゃって笑すみません… (2018年8月6日 13時) (レス) id: 329a268fec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年7月7日 21時
