爆豪勝己と名前 ページ48
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爆豪が抱きしめるAの体はわずかに震えていた。
氷を使った影響で体温が低くなっているのだ。
爆豪はシャツの上に羽織っていた上着を脱いでAの肩にかけた。
「気休めにしかならねぇだろうが、着とけ」
「うん……」
Aは「ありがとう」と言って服の前を引き合わせた。
その上からまた包むように抱きしめてやると安心した表情で目を閉じた。
「爆豪、Aを連れて先に帰ってくれ」
警察と向かい合っていた轟が爆豪に言った。
「……てめーは？」
「かわりに交番で事情を説明してくる」
「そうかよ」
後のことは轟に任せて、爆豪はAの肩を抱いてその場を離れた。
(……畜生っ)
電車に乗って学校に戻る道すがら、爆豪は己の無力さを悔いていた。
仮免を取得しておけば、あの場で堂々と個性を使えていたのに……と。
轟に止められていなかったら、もっとややこしいことになっていただろう。
何もできない自分が不甲斐ない。
＊＊＊＊
「……じゃあ、私はここで──え？ ちょ……」
爆豪は経営科の寮に向かおうとするAの腕を掴み、自分の寮に引っ張っていった。
戸惑うAと一緒にＡ組の寮に入る。
共有スペースには人がいたが、気にせずエレベーターに乗り込み自室を目指した。
「入れ」
「おお！ 爆豪君の部屋だ」
部屋に入るよう促すと、Aは興味深気に部屋を見回した。
その視線を遮るように正面から抱きしめる。
「もう大丈夫だよ？」
「嘘つけ。あの震えが寒さだけじゃねーってくらい分かるわ」
「……」
自分よりも大きな男にナイフを向けられて、怖くないはずがない。
一瞬肩を震わせたAは爆豪の服をギュッと掴んだ。
抱きしめたままゆっくりと後退してベッドに腰掛ける。
Aは爆豪の開いた脚の間に腰を下ろし、肩に頭を置いた。
「……今日は意地悪してごめんね」
「あ？」
Aがぽつりと呟く。
「私だってヤキモチくらい妬くんだよ」
「アイツは勝手についてきただけで」
「そうじゃなくて──」
Aは爆豪の言葉を遮る。
「……“勝己君”、だって」
爆豪を名前で呼んでいたことが気に入らなかったらしい。
なんだそんなことかと思う反面、そんなことでヤキモチを妬いていたのかと嬉しく思う自分がいた。
「てめーも好きに呼べば良いじゃねーか」
「……じゃあ、そうする」
Aは顔を上げて「ねぇ、勝己君」と甘いキスをねだった。
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来冠菜(プロフ) - 完結おめでとうございます！お互い片思いだと思ってるかっちゃんと妹ちゃんが可愛いです番外編もひたすら可愛いですんんん！！！更新頑張ってください！！ (2018年6月14日 20時) (
レス) id: 1227e26ad4 (このIDを非表示/違反報告)
くろしば - パスワードはつけないでー!という意見に賛成!少しでも多く先生の作品を見たいのでおねがいします!! (2018年6月11日 21時) (レス) id: f11d3744b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - おぉ、同じ名前の人が……あ、そうそう…今回もまたまた面白いです！頑張って下さい！！！！ (2018年6月10日 21時) (レス) id: cfdb26c000 (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ - パスワードつけないでください〜〜 (2018年6月10日 19時) (レス) id: bdf11d6919 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - え！パスワードはつけないでください！見れなくなっちゃう！！_:(´ﾛ`」 ∠):_ (2018年6月9日 20時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年6月7日 21時
