それは嫉妬２ ページ29
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Aは自分の席に座る爆豪を見た。
両足を組んで机に乗せているという、なんとも態度の悪いことだった。
おまけに目つきも悪い。
いつものことだが、それよりも余計に。
今のを目撃していたのなら当然か、とAは内心ため息をつく。
彼の突き刺すような視線はAではなく、Aに覆い被さっていた戸坂に向けられていた。
その戸坂は「え……ぁ……、ぅ……」と声にならない声を発しながら、赤かった顔を青く変色させて冷や汗を流していた。
「ごめんね、爆豪君。黒板を消し終わったら、日誌を届けにいくだけだから」
他の男に言い寄られていたこと──ではなく、彼が迎えにくるほど待たせていたことに謝罪をした。
爆豪は机の上の足を降ろし、厳つい態度で教壇に足を進める。
Aの背後をとったかと思うと、手から黒板消しを奪っていった。
同時に左腕をAの腹に回し、己の方へと引き寄せる。
背中と腹がぴったりとくっついた状態で、爆豪は豪快に黒板を擦った。
「もっと優しくしないと黒板が傷つくよ？」
「はァ？ ンなもん適当でいーんだよ」
なんて言いながらも丁寧に文字を消していく。
その様子を青い顔をした戸坂が見ていた。
なにせそこにいるのはＡ組の問題児代表の爆豪だ。
対して経営科のトップであり、それなりの容姿を持つA。
戸坂の目にはまるで敵と人質であるように見えていた。
「ば、爆豪……君、轟さんを、は、離し……」
「あン？」
「ヒ……ッ」
戸坂は消え入りそうな声でAの解放を求めるが、爆豪のひと睨みで体を縮こまらせた。
ちなみに戸坂が救い出そうとしたAは、自分を抱き寄せる爆豪の筋肉質な腕を堪能している。
「ふふ……」
「笑ってんな、気持ち悪ぃ」
「え〜……」
不満げな声を出しながらも、Aは嬉しそうに口元を緩めていた。
さっきとは全く違う安心感が心を満たす。
「オイ。トサカ頭」
「は、はひ……っ！？」
ひとしきり拭いて黒板消しを置いた爆豪は、教室の端で体を縮こまらせている戸坂に目を向ける。
「日誌はてめーが持っていけ。良いな？」
爆豪が睨みを利かせて言えば、戸坂はコクコクと機械のように首を縦に動かした。
それを確認した爆豪はAの腕を掴み、歩き出す。
２人分の鞄を手にして教室を後にした。
後に残された戸坂は、あまりの恐怖にしばらくその場にへたり込んでいたという。
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来冠菜(プロフ) - 完結おめでとうございます！お互い片思いだと思ってるかっちゃんと妹ちゃんが可愛いです番外編もひたすら可愛いですんんん！！！更新頑張ってください！！ (2018年6月14日 20時) (
レス) id: 1227e26ad4 (このIDを非表示/違反報告)
くろしば - パスワードはつけないでー!という意見に賛成!少しでも多く先生の作品を見たいのでおねがいします!! (2018年6月11日 21時) (レス) id: f11d3744b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - おぉ、同じ名前の人が……あ、そうそう…今回もまたまた面白いです！頑張って下さい！！！！ (2018年6月10日 21時) (レス) id: cfdb26c000 (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ - パスワードつけないでください〜〜 (2018年6月10日 19時) (レス) id: bdf11d6919 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - え！パスワードはつけないでください！見れなくなっちゃう！！_:(´ﾛ`」 ∠):_ (2018年6月9日 20時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年6月7日 21時
