争議と氷解 ページ14
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思考に夢中になっていると肩の重みが消えた。
ふわりと甘い匂いを残して爆豪の頭が離れていく。
「分かったか……」
「うん」
肩にあった手も離れていき、その名残惜しさを感じながら頷いた。
(私も、言わなきゃ……)
自分の想いを彼に届けたい。
勇気がなくて、心の奥底にしまっておこうと思っていた気持ちを。
「……じゃあな」
「え？」
爆豪は背を向けて体育館の方へと歩き出した。
「返事はいらねぇ。聞きたくねぇからな……」
ぶっきらぼうに告げて顔も見ずに去っていく。
「ちょ、ちょっと待って！！」
「ンだよ、もういいだろ……っ」
用は済んだと足を速める爆豪の正面に回り込んで、両手を広げる。
「私だって爆豪君のこと好きだよ」
まっすぐに爆豪の目を見てはっきりと想いを口にした。
「…………はァ！？」
爆豪は一拍おいて、素っ頓狂な声を出した。
そして乱暴に叫ぶ。
「嘘つくんじゃねェ！」
「嘘なんかつくわけないでしょ！」
「てめー、キスした次の日、ケロッとしてたじゃねーか！！ 普通もっと動揺するとかあるだろうがっ！」
「え、そういうもんなの……？」
ぱちくりと瞬きを繰り返す。
いやでも、恋心を自覚したのはその後なのでそれは仕方がない。
それを言うならAにも言いたいことがあった。
「わ、私だってね……爆豪君、あの朝すっごく怒ってたから嫌われてるのかと思ったんだよ」
「てめーがぐっすり寝たとか抜かしやがったからだ！」
「だって……色々考えて頭使ってたら疲れていつの間にか眠ってて……」
「──チッ、もうどーでもいーわそんなんっ」
「むぅ……」
自分から言い出しておいて、早々に放棄した爆豪にむっとする。
無意味な言い合いがヒートアップする前に止めてくれたと考えるべきか、ただ単に面倒になったのか。
またしても２人の間に流れたのは、告白後の空気ではなかった。
Aは広げていた手を下ろして、頭から足元まで爆豪を眺めた。
「改めて見るとさ……」
「あン？」
「カッコいいね、コスチューム。ヒーローみたい」
職場体験の時は下はジーンズだったので、違和感が半端なかった。
「みたいじゃねェっ！ ヒーローになるんだよっ」
「うん。そうだね」
顔つきと態度はとてもヒーローには見えないが、きっと彼は最高のヒーローになるだろう。
爆豪は必死に照れを隠そうとしていたが、その顔は赤い。
たまらずAはその胸に飛び込んだ。
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来冠菜(プロフ) - 完結おめでとうございます！お互い片思いだと思ってるかっちゃんと妹ちゃんが可愛いです番外編もひたすら可愛いですんんん！！！更新頑張ってください！！ (2018年6月14日 20時) (
レス) id: 1227e26ad4 (このIDを非表示/違反報告)
くろしば - パスワードはつけないでー!という意見に賛成!少しでも多く先生の作品を見たいのでおねがいします!! (2018年6月11日 21時) (レス) id: f11d3744b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - おぉ、同じ名前の人が……あ、そうそう…今回もまたまた面白いです！頑張って下さい！！！！ (2018年6月10日 21時) (レス) id: cfdb26c000 (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ - パスワードつけないでください〜〜 (2018年6月10日 19時) (レス) id: bdf11d6919 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - え！パスワードはつけないでください！見れなくなっちゃう！！_:(´ﾛ`」 ∠):_ (2018年6月9日 20時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年6月7日 21時
