□ それは嫉妬？ ページ31
.
ある日の放課後。
Aは爆豪がいるであろう中庭奥へと足を運んだ。
(ちょっと遅くなっちゃった。爆豪君、怒ってるかなぁ)
爆豪は放課後になるとすぐに教室からいなくなる。
理由はＡ組でAとセットでいると、切島たちにからかわれるからだ。
朝だってAがＡ組にいても挨拶程度。
しかも彼は予鈴ギリギリに来る。
だから２人で会えるのは放課後しかないのだが……
「あの……す、好きです」
そこの角を曲がったら目的の場所だというところで、緊張した女の子声が聞こえた。
(おっと……)
Aはぴたっと足を止めた。
どうやら告白現場に遭遇したらしい。
あと一歩で空気を読まずに踏み入れてしまうところだった。
(あらら。じゃあ爆豪君はここにはいないか……)
さすがに告白の邪魔をするほど無神経ではないだろう。
寮に帰ったか、そのあたりをウロウロしているか。
スマホで連絡してみようかと鞄に手を入れた時──
「付き合って下さい。爆豪君っ！」
その言葉を聞いたAは、思わずその場から走り去った。
＊＊＊＊
上鳴は切島、瀬呂とともに放課後の教室で駄弁っていた。
他の生徒はすでに教室を後にして今は３人。
お菓子やジュースを机に広げて、くだらない内容で盛り上がっていた。
「爆豪とAちゃんってさ、本当に付き合ってんのか？」
「あー……それ、俺も疑問に思うことある」
爆豪が物間を黙らせたくて口にした「俺の女」発言。
これにより、Aと爆豪が付き合っているという事実が判明した。
しかしながら「本当にそうなのか？」と首を傾げるほどに、２人の間に付き合っているという雰囲気はなかった。
詳しく聞き出そうにも爆豪は怒り狂って口を割らない。
Aは笑って「どうなんだろうねぇ」とどこ吹く風だった。
そんな話をしていると、廊下を走る足音が聞こえた。
「ねえねえ、聞いて聞いて……っ！」
勢いよく教室の扉が開いたかと思えば、息を切らしたAが駆け寄ってくる。
そして妙に高いテンションでこう言った。
「あのね！爆豪君が今、告白を受けているの！」
「へ！？」
「え゛っ」
「はぁっ！？」
３人は驚きの表情を見せた。
爆豪が告白されているという情報にではなく、それを伝えにきたAに。
なぜかというと────彼氏が告白を受けているとは思えないほど、Aの瞳はキラキラと輝いていたから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1728人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
来冠菜(プロフ) - 完結おめでとうございます！お互い片思いだと思ってるかっちゃんと妹ちゃんが可愛いです番外編もひたすら可愛いですんんん！！！更新頑張ってください！！ (2018年6月14日 20時) (
レス) id: 1227e26ad4 (このIDを非表示/違反報告)
くろしば - パスワードはつけないでー!という意見に賛成!少しでも多く先生の作品を見たいのでおねがいします!! (2018年6月11日 21時) (レス) id: f11d3744b8 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - おぉ、同じ名前の人が……あ、そうそう…今回もまたまた面白いです！頑張って下さい！！！！ (2018年6月10日 21時) (レス) id: cfdb26c000 (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ - パスワードつけないでください〜〜 (2018年6月10日 19時) (レス) id: bdf11d6919 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - え！パスワードはつけないでください！見れなくなっちゃう！！_:(´ﾛ`」 ∠):_ (2018年6月9日 20時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：瑪瑙 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2018年6月7日 21時
