ユーフォリック・シンフォニー【爆豪勝己】 (ページ4)

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　「いるんだぞ！？　家に本物が！！」ページ4

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某日曜日。
とあるショッッピングモールにて。

「ママ、早く！」
「はいはい」

Aと手を繋いでいる息子の勝凍(かつと)が急かした。

「はやくしないと始まっちゃう～」
「待って火月(ひづき)っ。まだ大丈夫だから走ろうとしないで！」
「むぅ」

火月は走ろうとしたところで癒月に叱られ、ぷくぅと頬を膨らませた。

今日は広場でヒーローショーがあるらしい。
見たい！行きたい！と２人がせがむので連れてきた。
珍しく爆豪と焦凍も非番なので、ショーの間に子供たちを旦那に任せてゆっくり買い物をしようという魂胆だ。

「あ゛ーーったく、せっかくの休みなのによぉ。面倒クセェな」
「そう言うな。たまには子供たちの相手をしろってAが」
「そうじゃねえ！！いるんだぞ！？家に本物が！！なんでわざわざニセモンを見にいく必要があるんだ！？」

幼い頃、オールマイトに会えると思って観にいったヒーローショーに現れたのは全くの別人だった……という苦い思い出を持つ爆豪が、その時の気持ちを思い返しながら言った。

「勝己君。せっかく変装してるのにバレるよ」

的確な意見を言っているのに、Aはスルーして“うるさい”と別の言葉で制した。

すでにチラチラと視線を感じるので一部の人間にはバレている。
家族連れ＝プライベートと見て騒ぎ立てない彼らに感謝だ。

「んじゃ、私と癒月ちゃんは買い物してくるから、焦凍と勝己君は子供たちをお願いね」
「へいへい」
「勝凍、パパの言うことちゃんと聞いてね」
「わーってる！」

父の言い方を真似て元気一杯に答えた。
それを見て癒月も自分の娘に視線を合わせてしゃがんだ。

「火月も。お父さんとはぐれないようにね」
「はぁい」

火月もにこにこと笑顔を向けながら返事をした。
本当に大丈夫かなぁとAと癒月が顔を見合わせていると、勝凍が近づいて火月の手をとった。

「行こう、火月。あっちだ！」
「うん！」
「あっ言ってるそばから！焦凍、勝己君。追いかけて！」
「ん？あ、」
「──チッ、アイツら……っ！」

２人のプロヒーローが焦りながらちょこまかと動く子供の後を追う。

「もう……大丈夫かなぁ」
「大丈夫ですよ、きっと。任せて買い物に行きましょうか」
「うん」

さっそく子供たちに振り回される“父親”を見つめながら、Aと癒月は夕食の買い物に言った。

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