ユーフォリック・シンフォニー【爆豪勝己】 (ページ26)

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　　　「私もたまには甘えようかなって」ページ26

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新しく都内で土地を購入し、一軒家を建てることになった。
高額納税者になってやると断言した通り、年齢の割にかなり稼いでいる爆豪は惜しみなく費用を出してあれやこれやと注文をつけていた。

ちなみに建設は雄英の寮を３日で完成させた業者に依頼したので、引越し作業を含めて３日で完了した。
今は新居で新しい生活に馴染むのに必死だ。
勝凍はまだ慣れないらしく、１人で家の中にいることを怖がっていた。
火月がいる時は平気そうにしているが、焦凍が迎えに来ていなくなったらAにべったりなのである。

勝凍の部屋も用意しているが、まだまだ必要なさそうだ。
ちゃっかり火月の部屋もあったりする。
おそらく癒月も焦凍も忙しくてAが預かることが多くなるだろうし、もし中学高校で都内の学校に通うならここからの方が近い。

部屋数や間取りを細かく業者に指示していたのは爆豪である。
なんだかんだ言って彼も火月には甘いのであった。

くすくすと笑いながらAはカーペットに座ってテレビを見ている爆豪に近寄った。

「勝己くーん」
「どうした？」
「んー。私もたまには甘えようかなって」

子供たちは保育園に行っているので今は仕事がオフの爆豪と２人きり。
背中から抱きつくように首に手を回しぎゅっと抱きついた。
子供たちがいるとこんなふうに接することができないので、帰ってくるまでの時間は恋人のように過ごしたいと思ってしまうのだ。

「そんなことかよ」

言いながら爆豪はテレビを消して、首に回された腕を外しながらAに目を合わせるように体の向きを変えた。
熱のこもった視線で見つめられてドキッとした。

そして“あ、これはただ甘えるだけじゃすまない”──と悟った。

「あの……勝己君？引越し作業とヒーロー活動の掛け持ちで疲れてるんじゃ……」
「むしろその疲れを今からとるんだろ」
「えっ、」
「テメェもそのつもりだったんじゃねーのかよ」
「そ、そんなこと！」
「ま、カンケーねーけど」

いとも簡単に押し倒され、視界が爆豪でいっぱいになった。
もう逃げられない。

「うぅ……お、お手柔らかに」
「テメェ次第だな」

観念したAは「晩ご飯作れなくなっちゃうから……」と手加減を要請して、爆豪に体を委ねるのであった。

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