ユーフォリック・シンフォニー【爆豪勝己】 (ページ13)

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　　　「今日の晩ご飯はオムライスだよ」ページ13

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近くのスーパに買い物にきたAは目的のものを見つけ、ついでに夕食の材料もカゴに入れた。
今日はオムライスにしようとタイムセールで安くなっている玉子を手にとって、すぐそばのお菓子コーナへと視線を向けた。

「火月はねぇ、これ！ ……あ、でもこっちも欲しい」
「僕はえっとえっと……うぅ、どっちにしよう」
「あれもいいな〜。これ見たことない！美味しいのかな？」
「こっち！ ……でもやっぱり……」

一つだけ好きなものを買っていいよと言えば、２人とも素直に一つを選ぼうと頑張っていた。
おもちゃ付きのお菓子はあれもこれもと悩むらしい。

「早くしないと置いて帰っちゃうよ〜」
「待って！これっこれにする！」
「火月もこれ！」
「はいはい」

Aが急かしたおかげでやっと決断できた子供たちは、大事そうにお菓子を持ってレジに並んだ。
結局２人はヒーローグッズのおまけがついた新発売のお菓子に決めたらしい。
帰ってから開けようねと言うと、いつもより早歩きで前を行く。
わかりやすくて可愛いとAは２人の背中を目で追いながら笑うのだった。

＊＊＊

エレベーターで自宅のある階に上がり、玄関の前でポケットの中から鍵を取り出した。

「あ、そうそう。今日の晩ご飯はオムライスだよ」
「じゃあ火月、おじちゃまのオムライスにケチャップかける！はーと！おっきいはーとを書くの」
「僕は自分のにショートおじさん書く」
「あはは、いいね〜。あれ？」

鍵穴に鍵を差し入れて回すと、まるで手応えがなかった。
鍵、掛け忘れたっけ……？
Aの頭の中で家を出た時のことをもう一度よく思い出したが、鍵は確かに掛けた記憶はある。
と、いうことは……、

(勝己君が帰ってきてるんだ)

休憩時間ともとれる時間なので、近くをパトロールしていたついでに家に戻っているのだろう。
だったらお昼ご飯はホットケーキじゃないものも用意しないと。

──と玄関の扉を開けて目にした光景に、Aは恐怖に顔を青ざめさせた。

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