０３◇「今日のお昼は何が食べたい？」 ページ12
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「パパだ！」
「おじちゃまっ？ どこ！ どれ！」
「今！ ほらバーって飛んでる！」
「ほんとだ〜」
テレビにかじりつきながら子供たちがはしゃいでいた。
何を見ているのかというと、昨日の昼に解決した事件を報道するニュースだ。
そこに居合わせた視聴者が提供したものなのでアングルや画質はイマイチなのだが、活躍しているヒーローの様子がしっかりと写されていた。
その中でも特に注目の多いのがヒーローダイナマイトの映像である。
到着して数秒もしないうちにヴィランを拘束する映像が、報道内容に合わせて繰り返し流れていた。
「Aママ？」
「ん？」
「どうしたの？ 怖い顔してる……」
火月はテレビを見るAの表情をじぃっと見つめていた。
「えーそうかな？ おじちゃますごいなーって見てたんだよ？」
Aは笑ってごまかした。
火月の指摘通り、爆豪がヴィランと戦う姿はかっこいいと思うがやはり心配でもある。
パトロールだったり人助けだったなら話は別だが、ヴィラン退治は命の危険と隣り合わせの職業なのだから。
プロヒーローを夫に持つには相当な覚悟が必要だ。
無邪気に笑って父親の活躍を応援する２人の隣で、Aは無事を願うのであった。
「ねーママ。今日の夜、焦凍おじさんくる？ ご飯食べてく？」
ニュースが終わって画面がCMに変わったところで勝凍がキラキラした瞳で問いかけた。
「夜に火月を迎えに来るけどご飯はどうかな？」
「おじちゃまは帰ってくるんだよね？ ね！」
「そうだよ」
「わーい！」
「え〜パパより焦凍おじさんがいい〜」
と、叔父に対して好意的な２人は正反対の反応を見せた。
「ねぇ２人とも。今日のお昼は何が食べたい？」
「ん〜なんでも」
「火月ね！ ホットケーキが食べたい！」
「ホットケーキ？ んー……材料あったかなぁ」
火月のリクエストのホットケーキミックスがあったかどうかを確かめるためにキッチンの戸棚を開く。
人数分のストックがあることを確認して次に冷蔵庫を開いた。
「あっちゃあ。牛乳が足りないかも。晩ご飯用に玉子も買っておきたいし……」
「買い物？ 買い物に行くの？」
「火月もいくー！」
「はいはい。それじゃあ、お片づけしよか」
「はーい」
お菓子を買ってもらいたい２人はリビングで広げたおもちゃをせっせと片付けるのであった。
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「今日の晩ご飯はオムライスだよ」→← 「いってらっしゃーい」
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作者名：瑪瑙
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=agate0320
作成日時：2020年7月9日 23時
