ヒロイック・シンフォニー【Secret】 (ページ27)

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　　　「なにウブな反応してんだよ」ページ27

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バイトを終えたAはマンションへと帰宅した。
スーパーに寄って買い物をしていたので少し荷物が多い。
玄関を開けるとトイレから出てきた爆豪と鉢合わせた。

「ただいま」
「……」
「た・だ・い・ま」
「……おかえり」

詰め寄り再度帰宅の挨拶をすると、たどたどしくも返ってきた。
それから「ん」と左手を出して、夕食の材料が入った袋を引き取ってくれた。

癒月が出張から戻るまで、爆豪はここで過ごすことになった。
そっちの方がAも世話がしやすい。

「あ、洗濯物畳んでおいてくれたんだ。別に良いのに。片手じゃやりにくいでしょ？」
「……することなくて死にそうなんだよ」
「たまにはゆっくり休めば？」
「てめーが休みじゃないと意味ねぇよ」

一緒にいたいという意味が含められた言い方に、自然と口元が緩くなる。

「風呂」
「はいはい。今沸かす……――あれ？」

給湯のスイッチを押そうとしたが、すでに電源は入っていた。
そしてタイミングよく『お風呂が沸きました』の音声が流れた。

「一緒に入んぞ」
「お断りします」
「は？」

昨日のアレを忘れたとは言わせない。
片手では難しいボタンとベルトは外してあげるが、それ以上の世話はしないと断言した。

「ンでだよ」
「だって……結局お風呂で……、その、…………しちゃうでしょ？」
「なにウブな反応してんだよ」
「うるさーい！とにかくダメ！」

断固拒否の意を唱える。
それに対して爆豪はむっとした表情を見せた。

「腕だけじゃなくて体のあちこちがボロボロのくせに」

動かすだけでも痛いはずだ。
そんな体で何をしようというのだ。

「別に大したことねーわ」
「とにかく完治するまで安静に！ちゃんと治ってから……ね」
「チッ。わぁったよ」

言葉ではそう言っているが、表情は納得していない。
気づいているがあえて無視して、入るならどうぞと脱衣所に誘導した。

正面に立ってボタンを外していると、ちゅっと額に口づけられた。

「覚悟しとけよ、完治したら抱き殺してやるわ」
「……っ、」

悪戯を思いついたような声がAの耳元で囁かれる。
恥ずかしさのあまり、ぶわっと顔が赤くなった。

「ご、ご飯作ってくる！」

ニヤリと笑う爆豪を残してキッチンに逃げた。
爆豪の顔が頭から離れない。
夕食の準備で水を使っていても顔は熱いままだった。

(まずい、早まったかもしれない……)

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