２９３話「私」 ページ9
『こんにちは...私。』
［良かった...私の事見た途端、顔色が悪くなったみたいだから心配したよ。］
モニターの中の私はホッと息を吐いて安心した様子だ。
自分を正面から見るのは不思議な気分で...そして不安を感じさせた。
『ねえ私...私の事、教えてくれる？』
［自分に自己紹介するの？
......んー、照れくさいけどいいよ。
私は星宮 A。
知ってると思うけど東京の大学に通う１年生だよ。］
大学...１年生？
今の私は大学４年生。
ハンナキーやノエルの言ったように記憶は直ぐに対応出来て、性格は３年ごとに更新されると言う条件にも当てはまっていない。
サ「AさんのAIが...大学１年生って事は、まだ...ミドリとお付き合いをしてる頃って事ですかね？」
確かに...それを確認するべきだろう。
私にとってミドリ...ソウさんとお付き合いをしているかどうかは...結構大きな分岐点だから。
『今...付き合ってる人はいる？』
［も、もう...！
同じ私なんだから...聞くまでも無いでしょ...。
もうすぐでソウさんと付き合って半年記念だよ！］
照れている私は恥ずかしそうに顔を覆っている。
付き合って半年の頃か...ああ一番、楽しかった頃だな...。
アリ「星宮 A、オレが言うのはなんだが...逆算するとオレがヒヨリソウを殺したのが...ちょうどこの頃か...？」
『......はい。
正しくは...その半年記念を迎える前にソウさんは姿を消しました。
アリスさんの考えで合っていると思います。』
私のAIは何処か田舎者感が抜けきれていない...都会に馴染んで来た今よりも素朴な女の子だった。
化粧も髪型も雑誌を読んでどんなのが似合うのか必死になっていた頃。
年上の恋人であるソウさんに釣り合うように、必死で背伸びをしていた頃。
［ねえ、私はさっきから誰と話をしているの？］
『え...！？
.........まさか......見えてないの？』
［え...？う、うん...。
さっきから私、１人で誰もいない空間に話しかけているから...大丈夫？
何かあったの？］
ソ「......どうやらAのAIはこれまで見て来た物と違って、自分自身を除くボク達全員の事が見えていないみたいだね。」
有り得る事なのだろうか。
ミシマさんのAIもシンさんのAIも皆を視認出来ていた。
なのに...私のAIは私以外見えていない。
でも...ソウさんの事は分かっている。
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伊豆花織(プロフ) - シロヌコさん» コメントありがとうございます！こちらこそ読んで下さってありがとうございます！もうストックが無いので今必死で書いてます笑 (2022年3月21日 16時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - あっ誤字りましたごめんなさい (2022年3月21日 16時) (レス) id: 0ef19d134d (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - 仕事がとても早い、プロフェッショナルですね！自分とは違って作品書き上げる速度が本当に速い、、さすがすぎます (2022年3月21日 16時) (レス) @page50 id: 0ef19d134d (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 雨玉さん» コメントありがとうございます！ううっ…もう少しで例の悲しすぎるシーンを書かなくちゃ…辛すぎます...泣 (2022年3月21日 16時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨玉(プロフ) - この作品むっちゃ好きです。ぅぁ、アリスさんがぁ、ｸﾞｽﾞｯ、切ない… (2022年3月21日 10時) (レス) @page50 id: 7f17357805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2021年11月23日 20時
