３３０話「ロケットパンチ」 ページ46
『なっ...！何これ！？』
ソ「び、ビックリ...した。
ボクの事...狙って飛んできたよね...。」
ミ「あれー？外しちゃった！
これはロケットパンチだよー！かっこいいでしょー！」
聞こえた声に合わせて、ミドリに視線を向けると...右手には...手が無かった。
『！？』
ミ「ねぇ、これでもボクを人間扱いする？」
アリ「ぐ...！」
ミ「ふふ...。」
こちらまでミドリは歩いてくると私達がいる場所に近い壁に突き刺さった自分の右手を抜き、元の位置に戻していた。
目が合うと...ミドリはニコッとこちらに笑いかけて、再び話を始めた。
ミ「...言っとくけどさ、アリス。
ボクだって心底怒ってるんだよ。
あんな事件、ボクだって予想外だったんだ。
楽しみにしてたデスゲームに...ボクの席が無くなっちゃったし...Aとも距離を置かなくちゃならなかった...。
許してないからね、アリス。」
するりと髪の毛を取られて、ミドリの口元に運ばれた。
チュッ...と軽いリップ音が響くと...サラリと髪の毛は元の位置に戻った。
ミドリの言っている...自分自身もデスゲームに参加すると言う話は、本当なのだろうか...。
何度も繰り返されたはず勝率表に...彼の名前は無かった。
消されたのだとして...彼の生存率はどれ程だったのだろう。
アリ「貴様...！！」
ミ「それに...ボクだけを責めるのは...お門違いさ。
その灯ろうが...キミの本当の罪を浮かび上がらせるよ。」
アリ「...！？」
ミ「使ってみると良い。
...アリスだけじゃなく、みんなにね。」
言いたい事を言い終えると...ミドリは教室を後にした。
その灯ろうは...いったい何なのだろう...。
アリ「クソッ...！！」
ギ「ハラハラしたニャン...！
A姉ちゃん、ケガは無いワン？」
『う、うん...大丈夫だよ。
心配してくれてありがとうね、ギン君。』
アリ「.........オレは...不思議と冷静だった...。
オレの中の怒りなんて...その程度しか、残って無いのかもしれないな...。」
いつも感情が真っ先に出るアリスさんがあの時、ミドリに殴りかからなかったのは...奇跡みたいな出来事だ。
その理由を私は知らないけれど...だからと言って、レコさんを殺した組織への恨みが消えている訳では無いだろう。
...それは、その悲しい表情が物語っている。
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伊豆花織(プロフ) - シロヌコさん» コメントありがとうございます！こちらこそ読んで下さってありがとうございます！もうストックが無いので今必死で書いてます笑 (2022年3月21日 16時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - あっ誤字りましたごめんなさい (2022年3月21日 16時) (レス) id: 0ef19d134d (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - 仕事がとても早い、プロフェッショナルですね！自分とは違って作品書き上げる速度が本当に速い、、さすがすぎます (2022年3月21日 16時) (レス) @page50 id: 0ef19d134d (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 雨玉さん» コメントありがとうございます！ううっ…もう少しで例の悲しすぎるシーンを書かなくちゃ…辛すぎます...泣 (2022年3月21日 16時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨玉(プロフ) - この作品むっちゃ好きです。ぅぁ、アリスさんがぁ、ｸﾞｽﾞｯ、切ない… (2022年3月21日 10時) (レス) @page50 id: 7f17357805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2021年11月23日 20時
