３０１話「疑問」 ページ17
道すがら、どうしても考えてしまう。
どうして、シンさんはケイジさんを助けようとしているのかを...。
ヒナコちゃんの台詞を借りるなら、ここでケイジさんが死んでくれた方が...後で私達がどうこうする必要も無いと言うのに...。
『...ねえ、シンさん...。』
ソ「どうしたの...A？」
『どうして...シンさんは、ケイジさんを助けようとしているんですか？』
あの時...ケイジさんがヒツギの中で弱音を吐いた時、思わず死ぬなんて許さないみたいな事を言ってしまったけれど、私達の目的達成の為には...死んでしまってもいいのではないだろうか？
ソ「......建前を言うなら、ミドリを殺すにはケイジの力が必要だから。
...本音を言えば......別にこのまま焼け死んでもいいんだ...。
本当は...ケイジから大事なものを全部奪った後、直接ケイジを殺したいけどね...。」
シンさんはその場で足を止めた。
まだシンさんの中では...建前の感情の方が大きいのだろう。
どんなに強い殺意があったとしても...復讐のために殺せるのかと問われたら、私はハッキリとは答えられない。
強い恨みや妬みなんかよりも...自分自身の行動の後悔が大きい。
『......こんな時、カンナなら何て言いますかね...。』
自分がやろうとしている事を...後悔している訳では無い。
それでも...不安度々襲って来る。
ソ「...きっと、間違ってるって...言うだろうね。」
普通だったら...本当だったら...カンナが最後に伝えた様に、皆に協力して...生きてる皆全員で脱出するのが正解なのかもしれない。
それでも...カンナを失った後悔に勝るものは...無い。
目を瞑っても...まぶたに浮かぶのはただ笑ってるカンナの姿だけ。
サラちゃんみたいに...ケイジさんみたいに...幻影になるほど私達を恨んでくれたら...どれ程楽だろうか...。
『......急に、ごめんなさい。
今のシンさんの気持ちを確かめたくて...。』
ソ「大丈夫...ボクの気持ちは変わらないよ。
生き延びるんでしょ？.........２人で...さ。」
『はい...。』
足を止めてしまった分、皆に遅れてしまっている。
早く追いかけないと、先にエレベーターが行ってしまう。
私達は話が終わった後、早足で最後尾を追いかける。
良かった事に、まだエレベーターには到達していなかったのでしれっと背後に付き、再び歩き始めた。
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伊豆花織(プロフ) - シロヌコさん» コメントありがとうございます！こちらこそ読んで下さってありがとうございます！もうストックが無いので今必死で書いてます笑 (2022年3月21日 16時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - あっ誤字りましたごめんなさい (2022年3月21日 16時) (レス) id: 0ef19d134d (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - 仕事がとても早い、プロフェッショナルですね！自分とは違って作品書き上げる速度が本当に速い、、さすがすぎます (2022年3月21日 16時) (レス) @page50 id: 0ef19d134d (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 雨玉さん» コメントありがとうございます！ううっ…もう少しで例の悲しすぎるシーンを書かなくちゃ…辛すぎます...泣 (2022年3月21日 16時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨玉(プロフ) - この作品むっちゃ好きです。ぅぁ、アリスさんがぁ、ｸﾞｽﾞｯ、切ない… (2022年3月21日 10時) (レス) @page50 id: 7f17357805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2021年11月23日 20時
