３１７話「限界」 ページ33
ハ「.........。」
アリ「なんだ...今のは...。」
静かな空間にアリスさんの声が響く。
ヒ「一番最初...私達がミドリに生み出された瞬間だよ...。
あんなふうに...自分の最後を見せられて...それで...」
ソ「恐怖を植え付けられた...ってことか。」
アン「うぅ......ううぅ......。」
ダミーズ達は顔面蒼白。
不安そうに床に座り込み、頭を抱えたり...口を覆っている。
他人の死でも見せ付けられるのはかなり精神的に来るのに...その映像が自分自身であったのなら、それ以上だろう。
ク「くだらねえ...。
んなもん...わかった上で...協力するっったんじゃ...ねえのか...？」
ラ「...それは...。」
立場が逆転してしまっている。
さっきまで協力的だった面々が再び見せられた己の犠牲者ビデオに震え上がり、否定的だったクルマダさんがそんな皆を励まそうとしている。
ク「ふざけやがって...。
テメーの覚悟は、そんなもんか...！！」
ラ「クルマダ...。」
ク「まあ...もう...どうでもいいか...。
どうせ...オレは死ぬ...。」
ソ「.........。」
『クルマダさん...。』
そうか...過去の死の瞬間よりも、今まさに対面している死への恐怖の方が勝っていたんだ。
ク「とっとと...IDカード...。
あのクソ女に...返して...来いよ...。
そう...すりゃ...暴走...は......。」
やっとの思いで立っていたクルマダさんの身体は...耐え切れずに床に座り込んだ。
サ「みんなは残ってくれ...。
私ひとりでIDカードを渡してくる。」
ク「ざけんな...！
ジャマだって言ってんだよ...！
終わり...なんだよ...。
さっさと...行け......。
...まだ...動けてることが...不思議なくらい...なん...だ...。」
ソ「...サラさん、ボク達が残ってもしてあげられることは何もないよ...。」
正直...クルマダさんはもうダメだろう...。
シンさんのペアなだけあって、他のダミーズよりも長く側にいた分、寂しさもある。
『......行こう、サラちゃん。』
サ「Aさん...。」
アリ「そうだな。
オレ達が救えるのだとしたら...それは...下の階にいるやつらだけ、だろう...。」
サ「......。」
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伊豆花織(プロフ) - シロヌコさん» コメントありがとうございます！こちらこそ読んで下さってありがとうございます！もうストックが無いので今必死で書いてます笑 (2022年3月21日 16時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - あっ誤字りましたごめんなさい (2022年3月21日 16時) (レス) id: 0ef19d134d (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - 仕事がとても早い、プロフェッショナルですね！自分とは違って作品書き上げる速度が本当に速い、、さすがすぎます (2022年3月21日 16時) (レス) @page50 id: 0ef19d134d (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 雨玉さん» コメントありがとうございます！ううっ…もう少しで例の悲しすぎるシーンを書かなくちゃ…辛すぎます...泣 (2022年3月21日 16時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨玉(プロフ) - この作品むっちゃ好きです。ぅぁ、アリスさんがぁ、ｸﾞｽﾞｯ、切ない… (2022年3月21日 10時) (レス) @page50 id: 7f17357805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2021年11月23日 20時
