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299話「人間」 ページ15

アリ「フン...くだらないな...。」


ラ「...え......?」


重くなる空気を切り裂いたのは...アリスさんだった。


アリ「人形は...こんなことで泣きはしない...。
自分では、あきらめたと思っていても希望を持ってしまうのが、人間だ...。
矛盾した感情を持つから...苦しい。
...よっぽど、人間くさいと思わないか...今の貴様は。

だから...つまらないことで落ち込むな。
貴様は生きているんだ...!
影山 蘭丸。」


ラ「............!!」



本物のレコさんを...人形のレコさんを...失ってしまったアリスさんだからこそ言える言葉...重みが違う。
確かに...人形のレコさんだって...生きていた。
死にたくなくて...自分が本物の八分雨 澪子だって信じて欲しがっていた。

私はあの時、自分が死にたくなくて...人形のレコさんの気持ちなんて考える余裕なんて無かった。
ニセモノよりも...生きている私を優先して欲しいと思っていた。

結局...あの後レコさんと話す事も無いまま...レコさんは死んでしまった。

サラちゃんが...それを...選んだから...。


アリ「...さっさと立て、時間は無いぞ。」


唖然とした表情のままランマル君はアリスさんを見ている。


座り込むランマル君の周りにダミーズが集結する。


アン「立てる?ランマル...。」


アンズちゃんは心配そうにランマル君の顔を覗き込む。


ラ「...だ、大丈夫...。」


頬に残る涙の跡をゴシゴシと擦りながら、机に手を置いて立ち上がった。


ク「男がポロポロ泣きやがって...。」


クルマダさんは、泣いていたランマル君をからかうように背中をバンッとひと叩きした。


ラ「え...?泣いてねえし...!」


ハ「はは...それは無理があると思うが...。」


ハヤサカさんは、誤魔化そうとするランマル君の肩にそっと手を置いた。


ダミーズ達は朗らかに笑っている。
ペアリングと言う枷が無くなったからか...どこか雰囲気も和らいで見える。



和やかな雰囲気のまま、私達は再び墓地に戻る事にした。

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伊豆花織(プロフ) - シロヌコさん» コメントありがとうございます!こちらこそ読んで下さってありがとうございます!もうストックが無いので今必死で書いてます笑 (2022年3月21日 16時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - あっ誤字りましたごめんなさい (2022年3月21日 16時) (レス) id: 0ef19d134d (このIDを非表示/違反報告)
シロヌコ(プロフ) - 仕事がとても早い、プロフェッショナルですね!自分とは違って作品書き上げる速度が本当に速い、、さすがすぎます (2022年3月21日 16時) (レス) @page50 id: 0ef19d134d (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 雨玉さん» コメントありがとうございます!ううっ…もう少しで例の悲しすぎるシーンを書かなくちゃ…辛すぎます...泣 (2022年3月21日 16時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨玉(プロフ) - この作品むっちゃ好きです。ぅぁ、アリスさんがぁ、グズッ、切ない… (2022年3月21日 10時) (レス) @page50 id: 7f17357805 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊豆花織 | 作成日時:2021年11月23日 20時

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