死にたくないので足掻きます。６【キミガシネ】

２４７話「失われた」 ページ13

そして最後に...後回しにしていたミドリの絵を調べる。


『......ソウさん...。』


思わず絵に手を伸ばした時...。


ミ［まだボクの事、ソウさんって呼んでくれるの？
A。］


『っ...！？』


絵が...喋った！！
思わず驚いて、その場に座り込む。


ミ［元気そうだねーA！
みんなも揃ってるみたいだし、調子はどうだい？
誰か死んだ？］


ケ「これは...また人工知能かな。」


人工知能か...。
これまでの経験でモニターに映る者が喋ってたら人工知能だったもんね...。


ミ［違うよー！ただのテレビ通話さ！
すべてのフロアをボクは監視してるんだ！
みんながどんな行動をしているかはお見通しだよー！］


全てのフロアって事は...別の階は含まれない？
ミドリが今いる場所からこれまで見張って来た訳では無いのかな...？


アリ「フン...ズルか...。
正々堂々、正面から来たらどうだ臆病者。」


ミ［妹と違ってバカだなぁ、アリスは...。
ボクだって勝ちたいんだからさー。］


アリ「貴様...！！二度とそれを口にするな...！！」


アリスさんにレコさんの話題は禁句だ。
モニターの向こう側にいるからミドリも強気になっている。


怒っているアリスさんを抑えるようにシンさんが一歩前に出て、ミドリに質問をした。


ソ「ミドリ...ひとつだけ教えてよ...。」


ミ［......ん？］


ソ「キミは...このデスゲームの黒幕なのか...？」


『ちょっ...！シンさん...！？』


ソ「Aはキミの命令でデスゲームに巻き込まれた...。
黒幕がキミだって...おかしくないだろう？」


シンさんは...私の為に...そんな事を聞いたの...？
でも...ミドリがそんな事を教えてくれる訳がない。


ミ［シン...。
あはは、真実は...自分でつかみ取るんだ。
そう教えたでしょ...？］


ソ「......。」


シンさんは...確かにミドリとの関係は教えてくれた。
でも、そこからさらに深く...どんな事があったかまでは教えてくれていない。


ミ［ああ...落ち込まないでよ。
隠すつもりは無いし...そろそろみんなには...知ってほしいんだ。］


アリ「な...何をだ...！」


ミ［すべてさ...。
ボクとの失われた思い出や...アスナロがキミ達を殺し合わせる理由も...ね。］


シンさんは...教えないんじゃなくて...覚えていないから、教えられないのかな...？
失われたって...どういう事なんだろう。

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