185話「足掻け」 ページ39
瓦礫を退けようとしているケイジさんに私は近寄った。
Qタロウさんは気を失ったまま目を覚ましていない。
『...ケイジさん...。』
ケ「Aちゃん...。
オレも...諦めきれなくてねー...。
...無駄かもしれないけど...あがいてみるよ。」
重たくて動きそうにない瓦礫の山を引っ張っている。
『私も...手伝わせて下さい...。』
ケ「Aちゃん...!!」
今、シンさんの側に居たって何も出来ない。
だったら...最後まで...必死になってやろう。
重い...。
引っ張っても押してもビクともしない...。
だけど、少しでも可能性があるなら...!
『私だって...まだ諦めてないんです!
傷だらけになったって...苦しくたって...最後まで足掻き続けたいんです...!』
ア「...バカめ。」
気付いたらそこにはアリスさんとサラちゃんがいた。
ア「...重機もなしに...どうなると言うんだ...!
...救いようのない、バカだ...貴様らは...。」
そんな事を言いながらもアリスさんも瓦礫の撤去に協力してくれた。
もし、Qタロウさんも起きていたのならば...百人力だったのに...。
.
.
瓦礫を引っ張りながらも、涙が出て視界が歪んでいる。
瓦礫の欠片で切って血塗れになった手が痛いのか...胸が苦しいのか分からなくなってきた。
そんな時に......役職交換の音が鳴った。
私が部屋にこもっている間にも2回この音は鳴ったから、これは5回目の交換になるはず。
絶望的な状況になって最後の最後に身代わりが交換したのだろうか。
ドクンッ......。
ドクンッ......。
ドクンッ......。
嫌だ.........。
お願い......。
私に...来ないで...。
震えるこの手でタブレットを確認しながらも...その足は何時でも駆け出す準備が出来ていた。
タブレットを見てみれば......役職は変わらずに平民のままだった。
ホッとした気持ちと同時に、平民と言うの役職だって油断する事が出来ないと言う複雑な気持ちが混合する。
アリスさんとケイジさんもタブレットを確認している。
ケイジさんは...変わらずに...賢者のままなのだろうか...。
『うッ.........!!』
すると...首に激痛が走った。
痛みに耐える事が出来ずに私は気を失った。
2人も同じ様に床に倒れ込む音が聞こえた。
目が覚めてしまったら...きっと...メインゲームの始まりなんだろう...。
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伊豆花織(プロフ) - きてる©さん» 一気見ありがとうございます!!コメントまで嬉しいです!ここからも面白い話を更新出来るように頑張ります! (2021年9月28日 22時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
きてる©(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…!一気読みしてしまいました…💦更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2021年9月28日 22時) (レス) id: 6a4605f739 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 望さん» 愛の告白…!!嬉しいです!期待の言葉ほど嬉しいものはありません!これからもバンバン投下していきますので心臓にはお気を付け下さい! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - ホントに………好きです。愛してます。これからの展開が楽しみすぎて………ちょっと心臓が持たないです… (2021年9月20日 22時) (レス) id: 3d0f44108d (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - あいすくりぃむとちょこれぃとさん» 見てくれた上にコメントまで…!ありがとうございます!“ソウさん”との関係は今後も書いていく予定なのでご期待下さい! (2021年9月20日 18時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊豆花織 | 作成日時:2021年9月9日 20時