178話「古い手記」 ページ32
持ち上げた手記には『あの事件』とタイトルが付いていた。
興味本位でこの手記を開いた。
[あれからずいぶん月日が経った。
今も脳裏に焼き付く地獄の記憶。
最初の試練で、ボクは一人の人間を殺した。
他人を絶対に信用しない。ボクはそう決めた。
次のロシアンルーレットにも、ボクは参加しなかった。
彼らは言い争いの末、挑戦者は驚くべき人物に。
17歳の女学生だった。
圧倒的なカリスマ、彼女には人をまとめる才がある。
壱度目の犠牲会議、そこでも彼女は中心人物だった。
だが、彼女はそこで親友を失った。
弐度目の犠牲会議。
彼女以上に幼き少年、そして最も彼女と意見の合った男、この二名が死亡した。
疲れきった彼女を見ると、哀れに思えた。
ボクは初めて本心で会話をした。
話が終わるころには、憧れを抱いていた。
自分が死んでも、彼女が優勝するなら良いと思うほどまでに。
だが、参度目の犠牲会議で、彼女は死んだ。
赤の他人の為に涙を流したのは、初めてだった。
現在でも彼女の幻影を見てしまう。
色んな女を愛してみても、気は晴れぬばかりだ。
ボクは彼女を今でも]
手記はそこで止まってしまっていた。
ここがガシューの部屋だとして...どうしてこんな物があるのだろうか...。
数字が壱、弐、参...17歳の少女を女子高生ではなくて女学生...と手記の中では記している。
手記の古さや文中の表現からも...ありえないかもしれないけれど、1番遠くて大正時代まで遡ることが出来るな...。
17歳の女学生がロシアンルーレットの事やカリスマ性からもサラちゃんと重なる...。
1回目のメインゲームでは親友のジョー君が犠牲になった...。
2回目のメインゲーム...もしこの手記の通りに進むのなら、犠牲になるのはギン君とケイジさん...?
この手記を書いた人物は...私たちが今まさにやっているようなデスゲームを生き延びた人物なのだろうか...?
読み終わって考えを巡らせていると、はしごを登ってサラちゃんとギン君が来た。
サ「ここが...秘密の部屋ですか?」
ソ「うん...紛れもなくガシューの部屋さ。
今、ノエルのチップを使ってセキュリティを無効化してるんだ。」
『順調そうですね。』
ソ「うん...このチップは凄いよ。
悪用出来そうな重要なデータがたくさん入ってる。」
悪い顔だ。
そんなに凄いデータが入ってるなら...本当にここを脱出出来ちゃうかもしれない...!
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伊豆花織(プロフ) - きてる©さん» 一気見ありがとうございます!!コメントまで嬉しいです!ここからも面白い話を更新出来るように頑張ります! (2021年9月28日 22時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
きてる©(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…!一気読みしてしまいました…💦更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2021年9月28日 22時) (レス) id: 6a4605f739 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 望さん» 愛の告白…!!嬉しいです!期待の言葉ほど嬉しいものはありません!これからもバンバン投下していきますので心臓にはお気を付け下さい! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - ホントに………好きです。愛してます。これからの展開が楽しみすぎて………ちょっと心臓が持たないです… (2021年9月20日 22時) (レス) id: 3d0f44108d (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - あいすくりぃむとちょこれぃとさん» 見てくれた上にコメントまで…!ありがとうございます!“ソウさん”との関係は今後も書いていく予定なのでご期待下さい! (2021年9月20日 18時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊豆花織 | 作成日時:2021年9月9日 20時