172話「貴方の過去」 ページ26
ソ「.........話してくれて、ありがとう。
......ボクと彼の話も聞いてくれる?」
『......本当に...話して...くれるんですか?』
ソ「うん。」
ソウさんも...私に歩み寄ろうとしてくれている。
それは...些細な行動からも分かってはいたけれど、実際に言葉にされるかされないかで大分違う。
ソ「どうしてか...彼との記憶が曖昧な部分もあるんだけど、間違いないのはボクと彼が出会ったのは高校生の時って事。
いつの間にか良く話すようになって...彼からボクの知らない色々な事を教わったんだ。」
ソ「...でも、ボクは彼が怖かった...。
彼の目を見ると心がザワついて、汗が出て、不安になるんだ。
そんなボクの様子を彼は楽しそうに見てた...。
正直、Aの言う彼がボクの知る彼と違って驚いたよ。」
逆に貴方の言う彼を...私は知らない...。
まるで同じ顔をした...別の人物みたい。
『貴方は...彼が死んだ事を知ってましたか?』
ソ「うん...死んでしまった事は知ってたよ...。
でも...死んだ事実しか知らなかった。
お葬式も無かったし、遺体も見てない。
高校時代の知り合いは彼の事を誰も覚えてなかった。
......アルバムをよく見ると彼は...そもそも同じ学校の生徒ですら無かったんだ...。
ボクも正直...彼を詳しくは知らないんだ...ひとまず...ボクの過去については、ここまで。」
貴方にとって...彼は不思議な人物だったって事だ。
それよりも...。
『...って事は?』
ソ「ここに来てからのボクの事もAには知って欲しい。
改めて自己紹介だね。
......はじめまして、ボクの本当の名前は月見 真。」
『...!』
ツキミ シン...さん。
これが...日和颯を名乗ってない...貴方の本当の名前?
ソ「何となく予想してただろうけど、フリーターじゃなくてちょっとしたハッキングでの仕事を生業にしてるんだ。」
ソ「ボクがメインゲームとかの内容を詳しく知っていたのは、最初の試練の部屋で教えられたからだよ。
...実はこのデスゲームには勝率表があって、そこに記載されていたボクの生存確率は0%だった。
過去の人工知能でのテストデータをいくつも見せられて、どれほど正確なデータなのかをイヤになるほど説明を受けた......。」
ソウさん...うんん、シンさんの顔色が悪い。
辛そうなのに必死に私に伝えようとしてくれてる。
『ね、ねえ...無理...しないで...。』
ソ「うんん、大丈夫だよ。」
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伊豆花織(プロフ) - きてる©さん» 一気見ありがとうございます!!コメントまで嬉しいです!ここからも面白い話を更新出来るように頑張ります! (2021年9月28日 22時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
きてる©(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…!一気読みしてしまいました…💦更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2021年9月28日 22時) (レス) id: 6a4605f739 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 望さん» 愛の告白…!!嬉しいです!期待の言葉ほど嬉しいものはありません!これからもバンバン投下していきますので心臓にはお気を付け下さい! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
望(プロフ) - ホントに………好きです。愛してます。これからの展開が楽しみすぎて………ちょっと心臓が持たないです… (2021年9月20日 22時) (レス) id: 3d0f44108d (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - あいすくりぃむとちょこれぃとさん» 見てくれた上にコメントまで…!ありがとうございます!“ソウさん”との関係は今後も書いていく予定なのでご期待下さい! (2021年9月20日 18時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊豆花織 | 作成日時:2021年9月9日 20時