130話「解除」 ページ34
ソウさんも一旦作業を止めて、食事に移った。
カンナにリクエストでもしたのだろうか...トースト等は目もくれず、丼サイズの器に入ったコーンポタージュを手に取ったソウさんの瞳はキラキラしていた。
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食事を終え、ホッと一息ついた時だった。
カ「ふと思ったんですけど、ソウさんの手ってこんな状況でも凄く綺麗ですよね。
数日間お風呂にも入れてないので、手とか身体の汚れが気になったんです。」
確かにソウさんは朝食の前にも後にもしっかりと手を洗って清潔を保っていた。
ソ「そうかな...?」
カ「それで思ったんです!
サラさん達がパスワードを解いた時って、充電も少なくて緊迫してて手に汗をかいてたんじゃないかって...昨日の夜、寝る前にベッドで思い付いたんです!
......早く言いに来れれば良かったのですが、昨日の夜は気付いたら寝てしまって...。」
それは...思いつかなかった。
手の汚れ...指紋の様な物で判明できるだろうか。
『汚れってのは考えつかなかったよ...。
ソウさんの手が綺麗で汚れが殆ど付いていないのを考えると......それ以外のキーボードを見てみたら何かが残ってるかもね!』
カンナは机に置かれているパソコンに張り付くとキーボードを凝視し始めた。
カ「.........あっ!!ありました!!
キーボードに指紋の汚れが残っています!」
その言葉につられて、私とソウさんもパソコンに近付く。
ソ「っ...!本当だ...。
今まで気付かなかった...。」
『いくつかアルファベットがありますが、何通りか組み合わせてみれば開けそうですね。』
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何通りか試した時だった。
不規則だと思っていたアルファベットから男性の名前と思わしき組み合わせが出来上がった。
ソウさんがそれを打ち込むと...パソコンを遂に開く事が出来た。
『わ...!っ〜やった!!』
カ「やりました!!」
ソ「っ...!」
三者三様の喜び方だった。
私は堪えきれず、叫ばないギリギリの声で喜び、カンナは素直に喜び、ソウさんは声には出さないものの喜びは隠せてない。
それに、ソウさんが一晩粘っても解けなかった問題をカンナが一瞬で解決に導いた。
これはカンナのお手柄だ!
ソ「このままパソコンの中を調べたい所だけど...ボクとカンナは最後のアトラクションをクリアしなくちゃだね。」
カ「そ、そうでした...!
Aさん、私達行ってきます!」
2人が行ってしまったので、カンナが持ってきてくれた朝食のお皿を片付けに行こう。
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伊豆花織(プロフ) - ぬん。さん» コメントありがとうございます!偶然とは言え私の作品を見つけてくれてありがとうございます!更新頑張らせて頂きます! (2021年8月26日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん。(プロフ) - 初見です!キミガシネの夢小説が全然なくて困っていたのですが、偶然見つけて嬉しすぎて叫びました…!1から全部読ませていただきました!とても面白いです、更新頑張ってください!応援しています! (2021年8月26日 15時) (レス) id: fdbd1f8f99 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 名無しさん» 早速コメントありがとうです!!続編行けました!!これからもお願いしますね! (2021年8月21日 23時) (レス) id: a9a2642a4b (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ここでも失礼します〜 続編おめでとうございます!執筆お疲れ様です…!これからも応援しております! (2021年8月21日 23時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊豆花織 | 作成日時:2021年8月21日 21時