128話「準備」 ページ32
サラちゃんから逃げて来て、ソウさんの部屋に戻って来た。
『ソウさん...。』
カ「Aさん!良かった...中々来ないからどうしたんだろうってソウさんと話してたんです!」
一緒に荒れた廊下から去った筈なのに、気付いたらいないんだ。
心配させたよね。
『ごめんね...。
途中、景品交換所に寄ってクリアチップを交換してきたんだ。』
カ「...じゃあ、Aさんは...。」
『うん...無事にサブゲームをクリアしたよ。』
カ「本当ですか...!!カンナも明日頑張らないとですね!」
私達がこんな会話を続けている中、ソウさんはパソコンに張り付いていた。
『......カンナ、パソコンのパスワードは解けそう?』
カ「...ダメみたいです。
パスワードが解けないみたいで、ソウさんさっきからニット帽を脱いだり被ったり何度も繰り返してるんです。」
頭を軽く横に振ったカンナがソウさんの方を見るのに合わせて、私もソウさんの方を見た。
こうしてカンナが話している途中にも、ソウさんはニット帽を外して頭を掻きむしっていた。
カ「ふあぁ......。」
ソウさんを見ていれば、カンナは目をゴシゴシと擦りながら大きな欠伸をしていた。
夜も更けてきた...カンナも流石に眠いのだろう。
『眠いよね、カンナは部屋に戻って寝ていいよ。』
カ「でも...パソコンのパスワードを解かないと...。」
『大丈夫、ソウさんならきっと...。
だから......ね?』
カ「......はい。
でも、明日までに解けなかったらカンナにもお手伝いさせて下さい!」
そう言った後、カンナは眠そうにショボショボした顔で部屋を後にした。
ソウさんはよっぽど集中しているのか、私が部屋にいる事は勿論、カンナが出ていった事にも気付いていない。
...今夜は徹夜になるだろう。
コーヒーでも入れてこようかな。
.
.
.
ロビーに置いてあるコーヒーメーカーは本格的な物らしく、最近流行りのコンビニの本格的なコーヒーみたいに1杯分ずつ機械が豆を削って抽出してくれた。
本気で徹夜するならガッツリ効くエナジードリンクの方が良いんだけど、そんな物は流石にここにはなかった。
コーヒーが出来たので、棚に置かれている板チョコを2、3枚取ってソウさんの部屋に戻る。
コーヒーのお供はやっぱりチョコだよね。
レポートが終わらなくて徹夜した夜を思い出す。
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伊豆花織(プロフ) - ぬん。さん» コメントありがとうございます!偶然とは言え私の作品を見つけてくれてありがとうございます!更新頑張らせて頂きます! (2021年8月26日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん。(プロフ) - 初見です!キミガシネの夢小説が全然なくて困っていたのですが、偶然見つけて嬉しすぎて叫びました…!1から全部読ませていただきました!とても面白いです、更新頑張ってください!応援しています! (2021年8月26日 15時) (レス) id: fdbd1f8f99 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 名無しさん» 早速コメントありがとうです!!続編行けました!!これからもお願いしますね! (2021年8月21日 23時) (レス) id: a9a2642a4b (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ここでも失礼します〜 続編おめでとうございます!執筆お疲れ様です…!これからも応援しております! (2021年8月21日 23時) (レス) id: cc998c0500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊豆花織 | 作成日時:2021年8月21日 21時