４３話「温もり」 ページ44
バーカウンターに私は向かい、カンナちゃんとソウさんは壁に背を預けて座っていた。
ソ「...気分はどう、カンナちゃん...？」
カ「.........。」
カンナちゃんがサラちゃんを拒絶して逃げ出してから、時間が経ったものの...気分はあまり良くなさそう。
バーカウンターの内部には、一通り必要な物が揃っていた。
ポリ袋に冷凍庫にあった氷をいくつか入れた後に口を縛り、簡単な氷嚢を作って...壁際に歩いて行く。
『ソウさん、失礼します。』
きょとん...とした表情をしたソウさんの頭の上に、氷嚢を置いた。
ソ「うわっ...！？
......冷たい...！」
『たんこぶが出来る程酷い怪我ですし...
迷惑じゃ無ければ、これで冷やして置いてください。
多少...痛みがマシになると思いますよ。』
ソ「うん...ありがとう。」
私が持ったままの氷嚢はソウさんに渡り、自身で場所を確認しながら冷やしている。
『そうだ、カンナちゃん。
冷蔵庫の中にジュースがあったから入れてきたんだけど...良かったら飲まない？』
氷とりんごジュースを入れたロンググラスをカンナちゃんに渡す。
カンナちゃんは、じっ...と私の目を見た後...微かに震える手を伸ばしてコップを受け取り、コクコクと音を立てながら飲み始めた。
カ「あの...Aさん...。」
『ん...？
どうしたの、カンナちゃん？』
カンナちゃんが何かを伝えようとしている。
カ「さっき...Aさんの服
貸してくれて...ありがとうございます。」
『気にしないで。
皆に見られるのは...恥ずかしいよね。
無事に着替えられて、よかった。』
貸した服とは...私のカーディガンの事だろう。
新品の制服を身にまとっていて、スカートの上に巻いてあげたカーディガンは無くなっていた。
服の行方について聞いてみれば、脱いだ服と一緒にしてしまった事で...何処かに回収されてしまったみたいだ。
カ「Aさんから借りた服なのにすみません...。」
ソ「それで...Aさんは、寒く無いの...？」
ソウさんも会話に入ってきた。
『動いている分には大丈夫でしたけど、こうして何かする訳でもなく座っていると少し肌寒いですね。』
季節は初夏。
日中は暑いので半袖でもいられるが...室内は冷え込む為、少し肌寒い。
そんな事を考えながら、腕をさすれば...ソウさんがマフラーを外して私の肩に被せてくれた。
『えっ...？』
ソ「そ、その...寒いんだよね？
しばらくの間、貸すから...良かったら、使って。」
マフラーを羽織れば...ソウさんの匂いに包まれる。
ソウさんの気持ちが...とても嬉しいな。
『ソウさん...ありがとうございます。』
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伊豆花織(プロフ) - にしんさん» ぜひ楽しんで行って下さい！！少し気に入らない所を修正したり、付け加えたりしてます！ (7月7日 20時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
にしん - あれ、久しぶりに見に来たら更新され直してる？ せっかくの機会なのでもう一周いってきます/(・ω・) (7月7日 20時) (レス) id: 5ae1833e01 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - りのさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂いてるみたいで、こっちも嬉しいです！ (2022年2月12日 20時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
りの - ソウさん推しの私はすごいニヤニヤしておりましたありがとうございます (2022年2月11日 21時) (レス) @page50 id: 751eb34a5f (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 椿さん» 私も迷う事無き夢女子です笑今、何処まで読んで頂けたのか存じませんがランマルについては話の都合上中々絡ませられていないのでごめんなさいと言っておきます！！ (2021年11月23日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2021年7月21日 3時
