２９話「嘘」 ページ30
カンナちゃんを抱き締めていれば...サラちゃんが制服を抱えて戻って来た。
レ「サラ、着替えになりそうな物見つけてくれたか？」
サ「はい、青い部屋で見つけました。
Aさんも一緒にいたんですね！」
レ「なっ...！
まったく同じ制服じゃねーか！
不気味だぜ...こんな物までしっかり用意されてるってよぉ...。」
サラちゃんの腕に抱えられていた着替えは...
今カンナちゃんが来ている制服と同じ物。
確かに怪しいとは思うけれども、このままでは居させられない。
カ「...ありがとうございます...。」
カンナちゃんは腕を震わせながら、サラちゃんが持つ着替えを受け取った。
不安が表情から消えないカンナちゃんを見て...
サラちゃんも心配に思ったのか、カンナちゃんの背中に手を伸ばせば...カンナちゃんはその手を振り払った。
『ど、どうしたの...？』
レ「お...おい、カンナ......？
落ち着きなどうした？」
カンナちゃんの明確なサラちゃんへの拒絶。
その原因が分からなくて、私とレコさんは慌ててしまう。
カ「...ごめん...なさい...。
...もう、優しくしないで...ください...。
希望を持つのは...怖いんです...！」
そう言い残して...カンナちゃんは着替えの制服を抱えたままどこかへと走り去ってしまった。
私はサラちゃんに事情が聞きたくて、その背中を追う事はしなかった。
『サラちゃん...カンナちゃんと何かあったの？』
レ「サラ！なあ！どういうことだ？」
サラちゃんは驚いた顔をした後...
しばらく黙ったまま俯いていたけれど、ポツポツとカンナちゃんとの間にあった話をしてくれた。
サラちゃんやミシマさん、カンナちゃんの最初の試練の事。
真実を話そうとした時に、ミシマさんが来てカンナちゃんにウソを教えた事...。
サ「私が悪かったんです！
......あの時、ミシマさんの嘘に乗らずに正直に話していれば...カンナはこんなに絶望しなかったかもしれないのに...。」
レ「やめろよ！そんなこというんじゃねぇ！
傷つけるためにいったんじゃねぇだろ！？」
『そうだよ、サラちゃん。
確かに...ミシマさんはウソをついたのかもしれない。
それでも、この世の中には...人を守るための優しい嘘もあるんだよ。』
レ「そうだ！
確かに、カンナの目には希望が宿ってたんだ！
心が折れた人間に夢を見させることは難しい。
...クソッ...！
私はなんでミシマにヘンテコ教師だなんて言っちまったんだ...。」
言ってしまった言葉は...取り消せない。
......相手が死んでしまったのなら尚更だ。
後悔したって...もう、遅い。
私が...言ってはいけないかもしれないけど...。
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伊豆花織(プロフ) - にしんさん» ぜひ楽しんで行って下さい！！少し気に入らない所を修正したり、付け加えたりしてます！ (7月7日 20時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
にしん - あれ、久しぶりに見に来たら更新され直してる？ せっかくの機会なのでもう一周いってきます/(・ω・) (7月7日 20時) (レス) id: 5ae1833e01 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - りのさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂いてるみたいで、こっちも嬉しいです！ (2022年2月12日 20時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
りの - ソウさん推しの私はすごいニヤニヤしておりましたありがとうございます (2022年2月11日 21時) (レス) @page50 id: 751eb34a5f (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 椿さん» 私も迷う事無き夢女子です笑今、何処まで読んで頂けたのか存じませんがランマルについては話の都合上中々絡ませられていないのでごめんなさいと言っておきます！！ (2021年11月23日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊豆花織 | 作成日時：2021年7月21日 3時
