28話「抱き締める」 ページ29
カンナちゃんの様子が気になるのは本当の事で...探しに向かおうとすれば、食堂にソウさんがいた。
『ソウさん...もう、戻って来たんですか!?
え、えっと...因みに、その...例のカードは...見つかりましたか?』
ソ「うん。
無事に仕掛け人がカードを置く瞬間を目撃する事に成功したよ。
あっ!
そうだ...はい、これはAさんにあげるよ。」
そう言って、ソウさんから手渡されたのは...平民と言う文字と鍬の絵の書かれたカードだった。
『こ、これってもしかして......!』
ソ「うん、Aさんの分の役職のカードだよ。
このカードを肌身離さないように持っててね。
予定通り、賢者と身代のカードも手に入れたから...これを上手く活用しなくちゃ...ね。」
ドクロマークの付いたカードと本のマークの付いたカードを私に見せつけるようにしつつ、悪巧みをする口元を隠しながら、気分良さそうに...隠し部屋の方へと向かって行った。
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広間に出れば...Qタロウさんが2階へ続く階段を大きな身体で塞いでいる。
Q「おお、Aじゃねえか!!
一応だか、皆が集まるまではここは通さんぜよ!」
『ふふっ...心配しないで下さい、Qタロウさん。
流石の私でも、1人で未知の場所を探索する勇気は無いですよ!
それよりも...カンナちゃん達の事は見ませんでしたか?』
Q「それじゃったら...知ってるきい!
レコとカンナは...酒場の方に向かってたぜよ!!」
Qタロウさんは余り変わった様子が無い。
まだ深い関わりが出来た訳では無いから...これが素なのか、空元気なのかまでは分からない。
『ありがとうございます、Qタロウさん!』
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.
酒場の方へ向かえば、入口近くに2人がいた。
『カンナちゃん!』
カンナちゃんはまた泣いていた。
無理も無い...あんな風にお姉さんの死を自分のせいにされたら、絶望だってしてしまう。
レ「Aか!
今、サラにカンナの服を探しに行ってもらってんだ。
良ければよ...Aもカンナの側にいてくれねえか?」
『もちろんです、レコさん。
そのために...ここに来たんで!』
カンナちゃんに近寄れば...すみっこで膝を抱えていた。
『カンナちゃん...大丈夫?』
そっと...優しく抱き寄せ、ぶるぶると震える背中を静かに撫でる。
カ「ぁ...Aさん...。
もっと...ギュッてして下さい......。
Aさんは...お姉ちゃんに似てます。
お姉ちゃんも...カンナがこうやって泣いてると泣き止むまで抱き締めてくれました。」
その言葉に...更に腕に力を込める。
お姉さんの代わりにはなれない。
分かっていても...離れられなかった。
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伊豆花織(プロフ) - にしんさん» ぜひ楽しんで行って下さい!!少し気に入らない所を修正したり、付け加えたりしてます! (7月7日 20時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
にしん - あれ、久しぶりに見に来たら更新され直してる? せっかくの機会なのでもう一周いってきます/(・ω・) (7月7日 20時) (レス) id: 5ae1833e01 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - りのさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂いてるみたいで、こっちも嬉しいです! (2022年2月12日 20時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
りの - ソウさん推しの私はすごいニヤニヤしておりましたありがとうございます (2022年2月11日 21時) (レス) @page50 id: 751eb34a5f (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 椿さん» 私も迷う事無き夢女子です笑今、何処まで読んで頂けたのか存じませんがランマルについては話の都合上中々絡ませられていないのでごめんなさいと言っておきます!! (2021年11月23日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊豆花織 | 作成日時:2021年7月21日 3時