１６話「信頼」 ページ17
ソ「次にメインゲームは...犠牲者を決める為の議論だよ。
それぞれに役職が与えれていて、その中から最終的に多数決で殺す人を選ぶ。
役職は全部で４つ。
“平民”は...文字通り、役無しの一般市民。
“鍵番”は...犠牲者に選ばれるとお終い。
全員が死ぬ事になる。
“賢者”は...鍵番が選ばれて全滅する事を阻止する為に、誰が鍵番を持っているのかが分かる。
最後に“身代”は...選ばれ無ければ確実に死ぬ。
逆に選ばれれば...自分の他に１人を選んで一緒に脱出できる。」
１番良いパターンでも...投票で選んだ人物と身代の２人が確実に死ぬ。
『まるで...人狼ゲームみたいな役職ですね。』
ソ「確かに...人狼ゲームに近いかもね。
あはは...ボク達がこうして裏でゲームの情報を教え合っている時点で役職関係無く、村人達に消されるべき人狼はボク達だね。」
『です...ね。』
取引が公になれば...私達は真っ先に選ばれるだろう。
もう、秘密は明かせない...。
ソ「説明も終わったし、改めて取引の内容は...
Aにこのフロアで行われるゲームの内容を教える。
これでAが生き残る可能性は上がるでしょう？
そして、ボクがAに求めるのは...これから、ずっとボクの味方でいてくれるって事。
だから...A
ボクを信じて、裏切らないで......。」
自信満々な語りは消え去り、暗い声が俯いたソウさんの口から零れてくる。
...そりゃ不安だろう。
私はソウさんの取引に応じるとは言ったものの
ソウさんには...私を縛るだけの決定的な秘密や弱みなどを握っている訳では無い。
あくまでも“可能性”と言っている以上...
私もソウさんも確実に生き残れる訳では無い。
そうであるにも関わらず...
私に取引持ち掛けて味方でいる事を望むって事は、私の事を理由は分からないけれど...無条件で信頼してくれているって事なのだろう。
この取引に正式に協力すれば───
既に信頼してくれている人も......
これから、信頼してくれる人も......
裏切る事になる。
でも...不安そうにこっちを見てくるソウさんの瞳は揺れていて、よく見ないと気付かない程度だけれど肩も震わせていた。
私がまだソウさんを本当の意味で信頼出来ないように、ソウさんも私を信頼しきれていない。
だからこそ...
私は...この人を裏切りたくない。
『.......ソウさん、安心してください。
私は貴方の取引に応じます。
貴方に...協力させてください。』
座ったままのソウさんに向き直り、手を差し出す。
ソウさんがこの手を取ってくれると...確かな盟約が結ばれる感覚があった。
ソ「...っ...ぁ、ありがとう！！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
伊豆花織(プロフ) - にしんさん» ぜひ楽しんで行って下さい！！少し気に入らない所を修正したり、付け加えたりしてます！ (7月7日 20時) (
レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
にしん - あれ、久しぶりに見に来たら更新され直してる？ せっかくの機会なのでもう一周いってきます/(・ω・) (7月7日 20時) (レス) id: 5ae1833e01 (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - りのさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂いてるみたいで、こっちも嬉しいです！ (2022年2月12日 20時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
りの - ソウさん推しの私はすごいニヤニヤしておりましたありがとうございます (2022年2月11日 21時) (レス) @page50 id: 751eb34a5f (このIDを非表示/違反報告)
伊豆花織(プロフ) - 椿さん» 私も迷う事無き夢女子です笑今、何処まで読んで頂けたのか存じませんがランマルについては話の都合上中々絡ませられていないのでごめんなさいと言っておきます！！ (2021年11月23日 21時) (レス) id: 32bef120c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊豆花織 | 作成日時：2021年7月21日 3時
