6 少しの贅沢 ページ6
※学パロ!苦手な人閲覧注意です
※
「母さん、見て。学年3位」
「ええ、凄いじゃないの!今日はご馳走ね。鏡花の好きな豆腐の料理作ってあげるわ」
「頑張って良かった。100点取った科目もあったよ」
「本当に頑張ったのねぇ。偉いわ」
今日、テストが返却された。
前回よりも遥かに高い点数に喜び、母に見てもらおうと走って家に帰ってきた。
でも、妹のほうがずっと良かった。
私は恥ずかしくなり、5枚のテストの端をしわになるまで握っていた。
「ケーキも買わないとね」
「母さん、痛い」
妹をぎゅーっと抱きしめながら喜ぶお母さん。
妹は笑って体をひねった。
「行ってきます…、」
お母さんは私が帰ってきたことにも気づいていない。
自転車を力いっぱい漕ぎ、向かった先は毎日のように通っている塾。
「お、ゆめ、テストお疲れさん。どうだったか?」
ワークを整頓していた先生が声をかけてくれた。
「ひゃくっ、100点でっ、妹が、学年3位で…、私、全然敵いませんでした」
「そうかぁ、それはすげぇな。でもな、ゆめだって頑張っただろ。初の400点以上取ったじゃねえか。」
力無く笑う私を、先生は褒めてくれる。
「ほら、『頑張りました』って言ってみろ」
「がんばりました。……そうです、私、頑張ったんです。」
「そうだな。どう頑張ったんだ?」
ただ認めて欲しくて、泣きそうになりながら話した。
110人いる中、学年11位取ったこと。
最高点が99点だったこと。
415点取ったこと。
去年は40位くらいだった。30点代40点代ばかりだった。
「そうか、こんなことを言って良いのか分からないが、俺は妹のほうが優秀なのは当たり前だと思うぞ」
「そんな…、」
「妹は姉を見て成長するが、姉はそれが出来ない。どうしたら成功するのか、失敗するのか、姉を見て学ぶんだ。」
妹のほうが優秀なのはお前より努力してるからだ、と自分を責めていた。
「お前、妹にも友達にも勉強教えてあげただろ?それに加え自分の勉強も頑張って偉すぎだろ」
涙目で笑うと、先生は私の頭を撫でてくれた。
妹よりは劣ってるけど、私だって頑張った。こうやって努力を認めて欲しかったんだ。
「ありがとうございます…」
「おう!少しは自分のこと褒めろよ。出来なかったら俺がやってやるからな」
暖かい紅茶を買うと、先生はこっそり渡してくれた。
※
今回は中也さんでした☆
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:るるる様。 x他1人 | 作成日時:2023年5月7日 11時