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6 少しの贅沢 ページ6

※学パロ!苦手な人閲覧注意です



「母さん、見て。学年3位」

「ええ、凄いじゃないの!今日はご馳走ね。鏡花の好きな豆腐の料理作ってあげるわ」

「頑張って良かった。100点取った科目もあったよ」

「本当に頑張ったのねぇ。偉いわ」

今日、テストが返却された。

前回よりも遥かに高い点数に喜び、母に見てもらおうと走って家に帰ってきた。

でも、妹のほうがずっと良かった。

私は恥ずかしくなり、5枚のテストの端をしわになるまで握っていた。

「ケーキも買わないとね」

「母さん、痛い」

妹をぎゅーっと抱きしめながら喜ぶお母さん。

妹は笑って体をひねった。

「行ってきます…、」

お母さんは私が帰ってきたことにも気づいていない。

自転車を力いっぱい漕ぎ、向かった先は毎日のように通っている塾。

「お、ゆめ、テストお疲れさん。どうだったか?」

ワークを整頓していた先生が声をかけてくれた。

「ひゃくっ、100点でっ、妹が、学年3位で…、私、全然敵いませんでした」

「そうかぁ、それはすげぇな。でもな、ゆめだって頑張っただろ。初の400点以上取ったじゃねえか。」

力無く笑う私を、先生は褒めてくれる。

「ほら、『頑張りました』って言ってみろ」

「がんばりました。……そうです、私、頑張ったんです。」

「そうだな。どう頑張ったんだ?」

ただ認めて欲しくて、泣きそうになりながら話した。

110人いる中、学年11位取ったこと。

最高点が99点だったこと。

415点取ったこと。

去年は40位くらいだった。30点代40点代ばかりだった。

「そうか、こんなことを言って良いのか分からないが、俺は妹のほうが優秀なのは当たり前だと思うぞ」

「そんな…、」

「妹は姉を見て成長するが、姉はそれが出来ない。どうしたら成功するのか、失敗するのか、姉を見て学ぶんだ。」

妹のほうが優秀なのはお前より努力してるからだ、と自分を責めていた。

「お前、妹にも友達にも勉強教えてあげただろ?それに加え自分の勉強も頑張って偉すぎだろ」

涙目で笑うと、先生は私の頭を撫でてくれた。

妹よりは劣ってるけど、私だって頑張った。こうやって努力を認めて欲しかったんだ。

「ありがとうございます…」

「おう!少しは自分のこと褒めろよ。出来なかったら俺がやってやるからな」

暖かい紅茶を買うと、先生はこっそり渡してくれた。



今回は中也さんでした☆

7 夜ふかしトーク→←5 このど阿呆がっ!!


  • 金 運: ★☆☆☆☆
  • 恋愛運: ★★★☆☆
  • 健康運: ★★★★★
  • 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

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あずきいろ


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作者名:るるる様。 x他1人 | 作成日時:2023年5月7日 11時

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